2025年
2月
26日
水
2025年
2月
25日
火
『合気神髄』p105〜106より
〝五体の左は武の基礎となり、右は宇宙の受ける気結びの現れる土台となる。左、右の気結びがはじめ成就すれば、後は自由自在に出来るようになる〟
〝すべて左を武の土台根底とし、自在の境地に入れば、神変なる身の軽さを得る。右は左によって主力を生みだされる。また左が盾となって、右の技のなす土台となる。これは自然の法則である〟
〝左はすべて、無量無限の気を生みだすことができる。右は受ける気結びの作用であるからすべて気を握ることができる。すなわち、魂の比礼振りが起これば、左手ですべての活殺を握り、右手で止めをさすことができるのである〟
〝土台〟を「体軸」、〝左、右の気結び〟を「転換の繰り返し、体軸を交代」に置き換える。
〝すべて気を握る〟〝すべての活殺を握り〟を「魂気と魄気の結びで体軸を作る」に置き換える。
〝魂の比礼振り〟は「体軸を解脱した非軸足側の手」に置き換える。
「左の手足は武技に与り、右は天地に結び体軸を成す。左は受けの魂気と結び、右は自身の魂気と魄気の結びで体軸を作る(p70より、左は正勝、右は吾勝)。左と右で体軸を交代すると、後は連続して体の捌きができるようになる。
左の手足で受けと結んで体軸を確立すれば、右の手足は体軸を解脱した非軸足側の手となり、身の軽さを得て受けの体に魂気を響かせ、自身の体に巡って魄気と結び、自身の体軸を確立することができる(p70より、勝速日の基 左右一つに業の実を生み出します)。」
「魄阿吽の理念力」のタイトルより再掲
2025年
2月
23日
日
*振りかぶりの非軸足は軽く半歩出すか半歩引き戻すか
*両手取り鳥船近似で手刀を振りかぶる呼吸法=呼吸法(呼気相の魄気の陰で回内・橈屈・母指外転・背屈)で振りかぶり・手刀ができる
2025年
2月
19日
水
2025年
2月
16日
日
*巡り(切り返し)で後ろ転換すれば受けの手を上から取り返すことが容易でない
2025年
2月
15日
土
合気道呼吸法の基本的動作
前腕の回内、回外(遠位橈尺関節)
橈骨手根関節の背屈と掌屈、橈屈
母指の橈側外転
鳥船の魂の比礼振り
各種技法
1坐技膝上に置く手背
2坐技手刀で与える
3諸手取り
4片手取り
最終姿勢
手刀の振りかぶり
手刀で突き
1坐技膝上に置く手背
1)回内・橈屈・母指外転・背屈 手刀の振りかぶり
2)背屈・回外・母指外転・橈屈 手刀の突き
2坐技手刀で与える
上体の前屈で肘を側腹に触れて離し回内・橈屈・母指外転・背屈 手刀の振りかぶり
3諸手取り
1)素振りの正勝吾勝で回外・橈屈・母指外転・背屈 手刀の振りかぶり
入り身一足から外入り身で呼吸法
2)外転換で回外・橈屈・母指外転・対側の手で三教に持ち背屈 手刀の振りかぶりで三教
4片手取り
1) 掌屈で伸側手首を取らせ、外転換で手根の伸展から回外・橈屈・母指外転で対側の手を四方投げの持ち方にして・背屈で振りかぶり四方投げ
2) 背屈で屈側手首を取らせ、橈屈・回内・母指外転・背屈して体の変更(三面に開いて)入り身一足で呼吸投げ、魂氣は陽の陰で中段に発して受けを尺側(刃)に乗せる
2025年
2月
12日
水
2025年
2月
09日
日
2025年
2月
05日
水
植芝吉祥丸道主の『合氣道』(光和堂)は、〝合気道に対する混乱した概念を改めるよう〟〝極く初心者向きに合気道の何たるかを書いた〟著作である。〝とにかく合気道として世に問うたものは最初のもの〟である、と昭和32年7月に前書きとして記されている。
基本動作
そこでは基本動作と基本技法に分けて解説されており、基本動作として、例えば合気道独特の「捌き」「気の流れ」「力の使い方」などを挙げている。
「捌き」には手、足、体の捌きがあり、〝中心の移動により自己の体を捌き、相手を捌いていく〟つまり、〝中心を持って円転滑脱に体を動かしていくこと〟(『合氣道』p93)である。
「気の流れ」とは〝機に応じて〟〝自然に無意識に出てこなくてはならぬ〟〝相手の動きを正しく察知することができる〟〝直覚力〟(同p94)とされている。合氣道の練習においては、前述の捌きとともに重要な一面を担っている、と明言される。
「力の使い方」では、〝自然に、敏活であってしかも素直に、あたかもなだらかな螺旋状円運動のごとき〟(同p99)〝正しい力の入れ方を理解しなければ〟(同p98)ならない、と。
呼吸法と禊
次に基本技法として、転換法、基本投げ技、基本固め技、呼吸法の四大部類に分けられた。呼吸法とは、呼吸力養成法であり、気の力のことを呼吸力と呼んでいる。また、呼吸とは、生理的な呼吸にとどまらず〝からだ全体で、天地とともに呼吸することを意味する〟と。そのような呼吸が気力を〝臨機応変たくまずして自然に出し得る〟と説かれている。そして〝自然力の充分なる集中発揮が可能となる〟方法を呼吸法と呼んでいる(同p152)。
〝天地とともに呼吸する〟とは、天の浮橋に立ち(道場に立ち)天地の気に気結びする、と開祖の教えにある、稽古のはじめに行う禊の所作であろう。天から心のたましい魂の気を吸気で掌に受け、地からは肉体のたましい魄の気を足底から腰に受ける。それらは拍手とともに呼気によって下丹田で一つになり、肚ができると思うことにする。開祖は〝立ったならば自分が統一していなければなりません。空気を媒介として統一になるのです。呼吸(いき)です〟(『合気神髄』柏樹社 p101)と言われる。
鳥船の足腰
呼吸力を発揮する動作に移ると、まず開祖の鳥船の行である。魂気の珠を包んだ両手が下丹田の両脇に置かれ、右足を軸として直立する体軸を作って〝吾勝〟、左足は非軸足で軽く半歩出して〝正勝〟と呼ぶ(同p69〜70)。
魂気を包んだ手は母指先で地を指したまま吸気に合わせて前方へ振り出され、同時に軸足を伸展して非軸足は踏みつめ、下腿が直立する。体軸を失って体幹軸が直立し、両足の間に移動する。この姿勢を魄気の陽と呼ぶことにする。
吸気相の終末では静止することなく、つまり息を止めることなく、母指を除く弛緩屈曲した指が下丹田を指して呼気相で巡る。同時に体幹軸も同期して元に戻っていくが、足捌きとしては一旦伸展した足が弛緩屈曲して軸足に戻ることとなる。そこで体軸を再び確立して吾勝となるには、下丹田に巡った魂気が魄気と結ばなければならない。その体捌きは魄気の陰ということになる。陽でホーと振り込み突き、陰でイェイと下丹田に結ぶ。
鳥船の手に魂の比礼振りが起こる仕組み
小林裕和師範の鳥船では非軸足側の手はイェイで下丹田に巡るやいなや側腹をすり抜けて軸足の後方へ弛緩して振れる。対側の手もそれに同期して下丹田で魂気を体軸に預けると同時に後方へ自然に振り下ろされる。そこから吸気で前方に魂気を両手で振り込むと、軸足はそれに合わせて伸展され、体捌きと足捌きは魄気の陽となる。つまり、魄気の陰で魂気と魄気の結びにより体軸が確立するのであるが、転換や回転の軸にならなければ必ずしも魂気が丹田・体幹軸に密着し続ける必要はないということだ。
魂気を包んだ両手が下丹田に触れた瞬間すべてを軸足に響かせて体軸とともに地に結んで〝土台となる〟(同p105)。後ろに振れた両手は魄気・体軸から解脱して、〝魂の比礼振り〟(同p108)に喩えられた手であろう。吸気に移行すると魂気を掌に包みながら前方に振り込み突き近似で発するが、母指先は地を指したままであって魂気を空気中に放つことはない。
これも開祖の〝心の持ちよう〟(同p67)であり、動作の成立を裏打ちするのみならず核心を成す思いであると言って良いだろう。
単独動作の振りかぶり呼吸法と鳥船
立ち技相対動作の両手取り振りかぶり呼吸法と鳥船は思いと動作が通底するに違いない。魄気の陽で両手刀を差し出し、受けが第一指間で前腕橈側(手刀の峰)を上から押さえ込もうとする。呼気で足捌きと体捌きによって魄気の陰・正勝吾勝とし、両肘頭が下丹田の脇に軽く触れて弾むと同時に両手の回内と母指の反りによる橈屈と背屈で母指先が中丹田から人中を指す。この瞬間、前腕に受ける魄力がすべて項から背、腰仙部を経て軸足の魄気に結んで一体になった、と思うことにする。そのとき尺側前腕から小指球では〝身の軽さを得る〟(同p105)、つまり魂の比礼振りが起こって、掌に天から受ける魂気がそのまま発せられる手刀の刃が生まれる。
手刀の峰には下丹田から母指先を通って背側の体軸に流れる魄気、刃には天から掌に受けた魂気がそのまま小指球を通って刃先から〝蕩々と流れる水の如く断続のない、調子の整った、生き生きした〟(『合氣道』p152)魂気の力が発せられる。単独動作では、はじめ前腕に受けるのは空の気である。
行いは言葉と思いと動作の三位一体であり、思いの裏打ち無き動作、あるいは動作の伴わない思いは行いとはなり得ないことを肝に命ずるべきである。
振りかぶり呼吸法と剣素振り
以上の動作で剣を用いれば、入り身一足・勝速日(『合気神髄』p70)で突いて、呼気相の陰の魄気で体軸を吾勝に戻すと同時に手の魂気は肘頭を通して下丹田に巡り、腋が閉じて体軸の魄気と結ぶことで肘頭は体軸から解脱する。正勝である。まさに鳥船と近似するところである。
そこでは手首が軽く回内・橈屈、背屈で身の軽さを得て母指先の反りに合わせて発露する魂気は上丹田に向かい上段に振りかぶる体勢に他ならない。非軸足先と剣先は体軸から解かれて呼気の終末でありながら、魂気の兆が正勝で天を指している。
吸気で母指・示指先に同期して第一指間を通して剣先から前方へ一気に魂気を発し、同時に非軸足先はさらに半歩進めると正面打ち素振りであり、吾勝・正勝つまり魄気の陰を維持する。小林裕和師範の剣振りかぶり面打ち素振りは非軸足を踏み詰めることがない。
さらに、面打ちの素振りから魄気の陽に進めて入り身一足では勝速日となり、初めて合気の剣の残心に繋がる。
まとめ
下丹田での魄気との結びを瞬時に解脱して〝魂気すなわち手〟(『合気神髄』p181)の母指先が、地を指したまま軸足後方に垂れる鳥船と、一方母指先の反りが外転によって人中を指し、そこから体軸の背面に結んで吾勝に、小指球が正勝で前上方に発せられる振りかぶり呼吸法の近似性をまず認識すべきであろう。
振りかぶり剣素振りと入り身一足の面打ち残心は片手取りや諸手取り呼吸法の原型であり、それゆえに原型たる剣操法でなければ意味が無い。
さて、呼吸法には、剣を上丹田に巡らせて切り返し面打ちとする術技に由来する動作もある。軸足側の手で巡る切り返しは振りかぶりと大きく異なる動作である。それについては稿を改めて論じることとしたい。
2025/2/5
2025年
2月
02日
日
太刀取り四方投げ二法