道主による講習会は、愛知県から熊本県までの各地道場より570名の道友が参集し、武道館「ひびき」に溢れんばかりの熱気であった。
神氣館からは6名が参加し、普段の稽古には無い新たな交流を道主の下で真剣にまた和やかに体験できたのである。合同演武会の出場は31道場を数え、各地の指導者により披露される合気道の様々な表現は、短い時間内にそれぞれが“炸裂”するような印象を与えた。神氣館は16番めで、7月の連盟設立記念演武にも増してあれこれと基本動作の表現にこだわったつもりが、中盤で思う様には発揮(発氣)できず、多田、山本両人の絶妙の受けに助けられ、冷や汗の内になんとか二教固めで締めくくることができた。
このような交流を主とした合同稽古、演武を目的とした研鑽、各自が互いに指導し指導を受ける通常の稽古など稽古の多面性をもっと追究していくべきことを、そして、完全で少しも落ち度の無い準備にして初めて修成しうる程度の失敗に留まることを、今にしてあらためて学んだ次第である。
道主による総合演武は徒手、坐技、剣、杖、多人数へとまさに大きなうねりを現すような、それでいて終えたあとにも平然とされ、変わらぬ息づかいと表情は正に平常心である。襟や袴の乱れなど無く、自然に腹でいっさいの呼吸を巡らせておられるのだ。
15回の節目となる記念品は道主直筆の『勝速日』と書かれた扇子である。これまでそれぞれの記念研鑽会には『正勝』『吾勝』の扇子を頂いており、このたびのもので合氣道の本質として解釈される三つの語句が道主の筆により一揃いしたわけである。
瞬く間の15年であった。我らの神氣館は丁度この初回の研鑽会の年に設立・登録され、同じ年数を歩んで来た。今後も互いに『基本即真髄』の達成感を共有する稽古として、活きることを取り戻すひとときとなるべく積み重ねて行きたい。
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