*後手:受けの横面打ちを見て異名側の魂氣を降氣の形で額に巡り、対側の上肢を腰の後ろから振り込み突きで相半身となり、受けがそれを陰の魂氣から内に払って剣線を外すことで突きの魂氣は受けの上肢の下を通って陰の陽で受けの横面打ちの手首を受けて丹田から外巡りで四方投げの取り方。取りは自らの手背に額を追っ付けて剣の振りかぶり近似。同側の足を軸として前方回転の後正面打ち近似で受けの手首を突き出し受けの項に結ぶ。丹田に巡って残心。受けは取りの丹田を経て取りの内側に沿って後方の足の後ろに落ちる。
*先手:受けの振りかぶりを見て異名側の魂氣を陰の陽から上段に与えて接触と同時に陽の陽に手を開き、相半身入り身運動・対側の魂氣で四方投げの持ち方から前方の足を後ろ回転の軸足とする。以下後手表に同じ。
*右/左自然体で陰の陽を下段に与えて受けが片手取りの瞬間、後ろの陰の陽を相半身で与え受けは陰の魂氣でそれも取る。始めに与えた魂氣は相対的に陰の陽で丹田に結んでいる。
*相対動作では取りが単独動作に徹して初めて受けの動作を普遍化させ得る。単独動作の形で終わるわけではない。受けに選択の自由を与えない動作へと導くものでなければならない。坐技正面打ち一教運動で、取りの陰陽の巡りによる受けの陰の魂氣の掣肘が一例。魂氣三要素で受けの一側の上肢と結んだ後、魄氣の要素(坐技入り身運動)が加わった両手の陽のピークが初めて受けの対側の魂氣を地に結ばせ魄氣(正座の軸)も滞る。単独基本動作(主として魄氣)と単独呼吸法(主として魂氣)。小学生の六級はまずこれを越えてもらう。
*壱級の昇級審査ではすでに相対基本動作まで磨き抜かれていることがわかる。従って基本技が、引き込まれるように美しい。なぜか。結局単独動作(魂氣と魄氣の結び)、つまり手足腰目付の一致に帰結しそして残心で締めくくっているからである。単純でわかりやすいことが驚くほど胸を打つのである。
*弐段と参段の審査では、基本技の応用と指導力が望まれる。ここで応用とは、技の形を多くの基本動作で複雑に構成することではない。受けの様々な動作に対する取りの初動として最適の基本動作を反応させるという意味である。そして、確実に相対動作を連係して残心まで完結させ、さらに反復や先手での制御も交えることができるという意味である。その要訣は魂氣も魄氣も速さのために陰陽が甘くならないこと。勝速日である。「合氣道の特徴」“…勝速日の私的解釈”を参照。
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