*鳥船は魄氣の陰陽と魂氣の陰陽で現す呼吸法である。魄氣の陰陽は軸足の確立と体軸の揺れを動作する。魄氣の陽は、入り身と軸足交代の兆しであり、軸足を伴わないその形は静止として成り立ち得ない。陰は軸足を確立した動的静である。四方八方に歩き、回り、陰の魄氣で立ち止まるのが魄氣の働き(三要素)である。鳥船は非軸足を置き換えないし軸足交代も無いので体軸移動(歩み)の伴わない動作であることをあらためて識るべきである。
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単独呼吸法坐技:降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り
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合氣体操
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単独基本動作:入り身運動(陰の陰、突き、横面打ち)、入り身転換、前/後方回転
*入り身運動は魄氣の陰陽に軸足の交代と継ぎ足(残心)の伴った動作である。入り身転換は入り身に際し軸足交代のとき足先が直角に方向転換し、魄氣の結ぶ踏み換えでは45度内側に足底で地を踏むと、体軸に結び陰の魄氣となる。
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相対基本動作坐技呼吸法:下段に与えて片手取りに母指先を天に巡って上肢を畳み陰の陽で母指先を側頸に結び(降氣の形)、かすめて外側へ陽の陽で発する。
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坐技下段に与えて片手取りに母指先を外に巡って(二教の手)吸気で陽の陰に発して受けの手首を上から内側へ母指先の反りに合わせて地を指す結び・陰の陽に巡って丹田に向かうと二教。
*陰の陽に巡る際、母指先が地をさしたままでなければ結びが解ける。結びが成ったときは母指先が内を向いている。内巡り。天を指すと掌は開き、魂氣は丹田に凝結しない。
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諸手取り外転換・降氣の形・反復転換で魂氣を側頸から陽の陽で発し氣結びして(画像)、陽の陰に巡り鳥船の陰の魄氣で丹田に魂氣を陰の陰で結ぶと、包まれた受けの手首は二教で取りの丹田に結ぶ。氣結び無くして技は生まれない。氣結び(合氣)が武を産む。“武産合氣”という言葉は、思いと動作の三位一体へと昇華せず口にしてもたましいがこもらない。
*陽の陽から陽の陰への巡りは、伸展した前腕の回外・回内の限界から限界まで。いずれも母指先の反りで地を指す。
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二人で諸手取りに降氣の形で入り身転換・陽の陽の魂氣を狭義の陰に巡って入り身転換反復で二教・体側の側頸に結んで畳んだ手を陽の陽に発して直に狭義の陰に巡り同様に二教。振り向いて下丹田へ氣結びを連ねる。
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二人諸手取りに降氣の形で入り身転換・側頸に陰の陽で結んだ魂氣を陰の陰で額に結び、逆半身内入り身転換で対側の陽の陽の魂氣を狭義の陰に巡ると二教、額では掌を開けば受けの手首を上から包むことになり対側の頸部に降りると(転換しているから)、更に丹田に降氣で二教。両手を伸展して互いの上肢を互いの側頸に結ばせて呼吸法。
*二人取りは、一人に対して次々に順次同じ基本動作を行うか、あるいは同時にそれぞれに異なる基本動作を行うか。一層の緻密さを要する。同時に同じ基本動作は為し得ない。同時に同じ間合いで左右対称に魂氣を巡らして魄氣に結ぶことはできない。
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