静止して安定するとは左右対称で立つこと、自然本体、天の浮橋に立つこと。
動作を考慮した姿勢とは、
1)バスに乗って両手を用いず、体軸が曲がったり倒れたりせず、体勢を維持する立ち方。
2)青信号に変わると同時に左右を見て横断歩道へ一歩踏み出す早さ。
その説明は以下の如くである。
1)体軸を作る軸足の踏む床が任意の方向に傾くと、対側の足先をその方向へ置き換えて軸足交代する。
2)非軸足先を軽く半歩出して踏む。
なお、非軸足先方向へは膝を緊張伸展する。それ以外は弛緩屈曲して足先を引き上げてから置き換える。
したがって、軸足を作って対側を〝軽く半歩出す〟、〝三位の体〟(p70)、または体を三面に開くのが動きに備える姿勢である。『合気神髄』の中にも一言、〝自然の法則〟(p105)である、と開祖が簡単明瞭に示している箇所を見出せる。
左右対称であれ非対称であれ、両足で地を踏んだうえに動作を考慮することは出来ない。前者は天の浮き橋に立った静止である。
後者は鳥船で振り込み突きとともに吸気で体軸が後ろの軸足から前方寄りに揺れた瞬間の足腰である。即座に呼気相で魂氣(両手)を下丹田に巡らすと同時に体軸は後ろの軸足へと戻る(魄氣の陰)。つまり吸気における動作の瞬間の姿勢(魄氣の陽)が、静止として動きに備えることはできない。
入り身転換や体の変更、入り身投げ/一教の際の入り身運動、あるいは転換や回転での軸足交代などで、体軸移動に伴う魄氣の陽はほとんど目に映らない。その姿勢は鳥船で一時静止して修練するしかない。