① 自然本体から軸足を作って同側の魂氣・手は陰の陽で腰仙部に結び体軸を確立する。対側の魂氣は下丹田に置いて、その同側の足を軸足に寄せて足先を軽く半歩出す。
② 下丹田から手を差し出し魂氣を下段に与えて非軸足は魂氣に合わせて半歩出す。
③ 受けが取りの手首を掴む瞬間母指先を内に巡って、同時に軸足を伸展して非軸足はさらに半歩入って(入り身)、足先は母指先に合わせて内股で地を踏みながら足底を45度内方向へ捻ると転換。軸足交代が完結して体軸が移動する。交代した非軸足は足先だけが地に触れて軸足に寄せられ、入り身で開いた歩幅を元に戻す。これで入り身が完了して残心に相当するから、入り身転換は入り身の間に転換が挿入されていることになる。
① → ②を単独基本動作として修練する。
*魄気の陽で伸展した後方の足を後ろに180度回すのは、足底から魄氣をまだ受けつつ体軸は前方の足に移動しきれず、軸足不在で体の変更を行おうとするわけだ。回り終えても軸足交代、つまり体軸の確立がなされていない。基本動作の停止に他ならない。
*軸足交代による体軸の確立が非軸足の後ろへの置き換えを可能とする。したがって非軸足は跳ね上げることができる。逆に跳ね上げられない非軸足は、体軸の移動(軸足交代)がなされていないことを示している。勝速日とは、一見不安定なようで、直立二足歩行の原理、ナンバ歩きの原理を言い換えた、基本動作後方/前方回転を象徴しているのであろう。