*神氣館【 高槻市 天神町道場 】               Shinkikan aikido tenjinmachi-dojo (公財)合気会公認道場                                   Takatsuki-city Osaka JAPAN         大阪府合気道連盟加盟道場                                       開祖植芝盛平の言葉と思いを動作する basic techniques from words and thoughts of the Founder, Morihei Ueshiba        不動の軸足に陰の魂気:〝吾勝〟  非軸足と魂の比礼振り:〝正勝〟        〝この左、右の気結びがはじめ成就すれば、後は自由自在に出来るようになる〟:軸足交代         二つはこんで一と足すすむ・入り身一足と、体軸に与る両手の巡り:〝左右一つに勝速日、業の実を生む〟       〝正勝吾勝〟で剣素振り 合気の剣は〝勝速日〟 〝正勝、吾勝、勝速日とは武産合気ということであります〟                      「天の浮橋」のタイトルに 13. 手刀を与えて振りかぶる呼吸法 2024/11/24 14. 体の変更の終末を魄気の陽とする真価は? 2024/11/29                     15. 令和7年より振りかぶり/切り返し呼吸法を単独基本動作へ改編 2024/12/6                     16. 正面打ちに取りの両手の手捌き二法 2024/12/18 「令和6年のお知らせ」12月の稽古納め「令和7年のおしらせ」に1月の稽古予定        稽古の記録 2010/8/15〜2024/12/22

組み太刀3の稽古の前に

正面打ちと合気道開祖植芝盛平の正勝吾勝勝速日・武産合気

 

いわゆる「飛び込み面」では、剣先で相手のそれを払うやいなや真中を取って前の右膝を引き揚げると同時に振りかぶり、左の軸足はその場で地を蹴って足腰が伸展する。即右の足先を前に送って膝が伸展すると同時に剣先が相手の額部を打つことになる。左足は右踵の後ろに継がれ、一瞬一本の軸となって体軸が移動する。入り身一足である。即左に軸が移り右はその場で非軸足となり、半身の残心の姿が生まれる。

ところで、初めから右足で地を踏み、左は足先のみを地に着ける構えから正面打ちを試みると、右足で立ち幅跳びをするような動作となり、一足一刀と言えるほど間合いを詰めることができない。つまり、構えの段階で左足踵がすでに地を離れており、はじめから踏み詰めてほぼ軸足となった右足で前に飛ぶことは困難であろう。右膝をさらに屈曲して前に倒れかかり、左足先も地を離れ、前に置き換わった右足底が地を踏み直して左足が継がれると右足のすぐ後ろで地を踏む。この繰り返しで間を詰めて相手を圧倒していく。残心の段階はこれに相当する。

しかし、〝踏み詰める足は待ちの足〟(宮本武蔵)と言われる。飛び込んで間合いを詰めて有効な面打ちを行うには、左膝を発条にして左足底が体重を支える軸、つまり体軸を作ること(吾勝)が第一である。それにより右足が地から完全に離れて前方に蹴り出し、剣を前方に打ち放つ(正勝)と同時に左足底が地を突っ張って左足が伸展すると、着地した右足は地を踏み詰めて下腿が直立し、左足は完全に地から離れて右踵の後ろに継ぎ足で引き寄せられる。右足は左足とともに一本の直立した体軸となって剣は相手の面を撃ち据え、有効な力がその五体に響く(勝速日)であろう(『合気神髄』p70)。

 

左を軸足として体軸が確立すれば右足を自由に伸展しただけ相手との間合いを詰めることができる。これこそ飛び込んで間を詰めて効果的に面を打つということである。それに比べて、右足を常に軸足としながら体軸が倒れんばかりに前傾して剣先が相手の面に届いても、飛び込んではいない。

 

地に直立した体軸を土台として(吾勝)、打ち放つ正面打ち(正勝)こそ有効であるはずだ。

〝二つはこんで一と足すすめ〟(宮本武蔵)、二足が一つになって体軸を確立する瞬間にこそ技が生まれる(勝速日)のであり、残心と同義であると言えよう。

ある剣道のオンライン動画によると「左に荷重を置いて、一足一刀の間合いから大きく打つ」という。まさしく飛び込んで面に打ちこむ剣技が研鑽されているようだ。

 

禊から合気の技が生まれるという思い。正勝吾勝勝速日、入り身一足の動作。これらは開祖のいわゆる、武産合気の思いと動作である(『合気神髄』p65)。

                               2023/4/19

 

 

水曜稽古の記録

  • 剣・杖素振りで正勝吾勝勝速日、転換、杖巡り、入り身一足、
  • 禊:天の浮橋に立たされて天地の氣に氣結びする/鳥船、左右左
  • 単独呼吸法坐技:①降氣②回外③昇氣④入り身運動⑤振り子運動⑥両手で天地に氣の巡り
  • 合気体操
  • 単独基本動作:①入り身運動各種②中段(相半身外入り身)/下段(外転換)/上段受け流し(一教運動裏)③一教運動表(三角法入り身で軸足交代)④正勝吾勝で魂気を下段に与える片手取り想定で入り身・転換・一歩後方へ置き換え=体の変更⑤片手取り想定で後方半回転(体の変更)・後方転換=後方一回転⑥交差取り想定で体の変更(後方半回転)・後ろ転換(後方一回転)で昇氣呼吸法⑦軸足先を外股にしてその膝に手を置く体軸確立で軸足交代して前方半回転連続/前方一回転⑧同じく後方回転 
  • 真中を与えて正面打ちに相半身で合わせる手刀を軸として後ろの足で(受けの外に)内転換して軸足に戻し、同側の手で受けの手刀の母指球側を包むと同時に取りの手刀は矢筈で受けの手首を小指側から包むと、同側の非軸足と同期して振りかぶり、前方回転で四方投げ表。
  • 正面打ちに相半身で合わせ、前の非軸足で(受けの内に)外転換して軸とし、対側の手で受けの手刀の母指球側を包むと、取りの手刀は下丹田に巡って陽の陰で発し、返し突きを受けに払わせてその手で受けの手首を小指側から包むと後ろ転換で振りかぶり前方回転/後方回転で四方投げ表/裏。
  • 正面打ちに相半身で合わせ、前の非軸足で(受けの内に)外転換して軸とし、対側の手で受けの手刀の母指球側を包むと、取りの手刀は下丹田に巡って陽の陰で矢筈に開いて受けの手首を小指側から包むと、受け対して剣線から30度開く後方へ非軸足を体の変更で置き換えて正勝吾勝を維持して振りかぶり、前方/後方回転で四方投げ表/裏
  • 正勝吾勝で下丹田に魂氣を置くと逆半身胸取りに、外転換とともに同名側の手で受けの手を小指球側から包み、魄気の陰から陽へ一歩進めて対側の手を手刀にして受けの上腕遠位端を制し、二教表に固め。
  • 逆半身胸取りに前の足を軸足側として対側の手で振り込み突きにて相半身入り身一足の瞬間、軸足を交代して対側の非軸足を後方へ剣線に対して30度受けの内に相半身で正勝吾勝とし、突きの手は巡って受けの手の小指球側から包み、後ろ回転・後ろ転換で向き直り二教、連続後ろ回転で受けを取りの前に引き込んでうつ伏せとして地に固める。
  • 自由稽古

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