*神氣館【 高槻市 天神町道場 】               Shinkikan aikido tenjinmachi-dojo (公財)合気会公認道場                                   Takatsuki-city Osaka JAPAN         大阪府合気道連盟加盟道場                                       開祖植芝盛平の言葉と思いを動作する basic techniques from words and thoughts of the Founder, Morihei Ueshiba        不動の軸足に陰の魂気:〝吾勝〟  非軸足と魂の比礼振り:〝正勝〟        〝この左、右の気結びがはじめ成就すれば、後は自由自在に出来るようになる〟:軸足交代         二つはこんで一と足すすむ・入り身一足と、体軸に与る両手の巡り:〝左右一つに勝速日、業の実を生む〟       〝正勝吾勝〟で剣素振り 合気の剣は〝勝速日〟 〝正勝、吾勝、勝速日とは武産合気ということであります〟                      「天の浮橋」のタイトルに 10. 開祖植芝盛平の武産合気とは特定の形を指すものではない 2024/9/28                    11. 正面打ちに合わせる手・魂気 2024/11/8                    12. 正面打ち一教裏の手捌きなど 2024/11/13 「令和6年のおしらせ」に11月の稽古予定                         稽古の記録 2010/8/15〜2024/11/20

2011年

1月

30日

天神町道場稽古 魂氣の陰陽と当て身

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作:入り身運動(陰の陰、横面打ち、突き)、入り身転換・反復、回転前後
  • 相対基本動作:片手取り入り身転換、体の変更、片手取り入り身運動
  • 片手取り入り身運動から入り身投げ:内巡り・昇氣で受けの正中頭部を超えて母指を前方に進め、同側の足を一歩踏み込み入り身・送り足で受けと密着し、対側の胸を受けの同名側の胸に接する。肩は受けの開いた脇に嵌り、腰の後ろに結んでいる対側の手は陽の陰で受けの異名側頚部を経て取りの丹田に陰の陰で結ぶ。
  • 単独基本動作:入り身転換から前方回転
  • 後ろ両肩取り入り身転換・前方半回転呼吸法:魂氣は陽の陰で入り身転換とともに陰の陰(手拳)に巡り、受けに当てずに取りの額から同側頚部へ陰の陽で結び、前方の足を軸足として前方半回転(入り身転換)する。片手取りの呼吸法同様踏み替えて陽の陽で残心。前記基本動作通り軸足膝に手を置くことで重心を下げると、肩を取った受けの両手は縦に並ぶ。省略できない要素(この場合膝上の手)を単独基本動作に見いだすことが肝要。

  *陰の陽は母指先、陰の陰は手拳、陽の陽は指先など当て身に近似で進めたり、巡ったりで魂氣を活用することが合気道の特徴の一つ。

  • 後ろ両肩取り小手返し:側頚部に結ばず対側肩の受けの手を上から取り、前方の足を軸足として前方半回転(入り身転換)する。同じ足を外側に半歩置き換えながら軸足として反復転換し丹田で小手返しに把持し、前方足を後ろに置き換えると同時に後ろにある手を陽の陰で受けの小手に合わせる。
  • 交差取り(後ろ両手取り)後ろ入り身転換呼吸法:入り身転換の後、前方の足を後方に置き換えて踏み替え(転換)て陽の陽。踏み替えずに陽の陽で受けを倒すことはできない。魄氣(丹田・足先)の向きを確立して魂氣を発する。

 *後ろ両手取り(両肩取り):自然体で両手(肩)を取らせた体勢からは後ろ入り身と前方半回転の二通りがある。魂氣は、両手取りが降氣から額に陰の陰、両肩取りは魂氣を陽の陰(手拳)から額に陰の陰。対側の手は、両手取りでは丹田に陰の陽、両肩取りでは軸足(前方の足)の膝上に置く。後ろ入り身では前方回転の軸足形成は不要で後方へ置き換えて同側の魂氣を活用する(一教〜四教)。

 *後ろ両手取り(両肩取り)取りが正面打ちで受けを打つ場合:転換して両手(両肩)取りが成立したとき既に後ろ入り身または前方半回転の軸足形成が済んでいる。

  • 坐技正面打ち三教表:正面打ち氣結びにて座技一教運動表、陽の陽から陰の陰に巡って指先に滑らし、陰の陽で反屈にして目の前に差し出し、対側の手で前方から陰の陽で受けの手首関節部を握り、狭義の陰で(手背が見えるように)絞るように広義の陽で取りの異名側の膝外側に受けの手掌を密着させて入り身運動。
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2011年

1月

26日

幸町道場稽古 基本技とは

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作:入り身運動(陰の陰、突き、横面打ち)、入り身転換・反復、体の回転前・後方、一教運動表・裏、
  • 相対基本動作:片手取り入り身転換・体の変更、

 後ろ肩取り入り身転換:自然体で立ち後ろから触れられた側の手で手刀を作りながら転換して受けの面前に進めると受けは同名側の手で受けてそのまま押さえる。取りは陽の陰に巡って反復転換し陰の陰で丹田に結び、対側の手は陽の陽から陰の陰(手拳)に巡って受けが押さえる肩に向かうが、一歩踏み込んだ受けの面前をいつでも突ける。陰の魄氣から更に転換を繰り返すと、例えば小手返しや四方投げが成立。後述するように応用技と言える。反復転換時陰の魄氣で軸足の膝を着けば手拳から二教の掴み、基本技。

 後ろ両肩取り入り身転換:触れられた側の手で手刀を作りながら転換して受けに向けるが、受けは同名側の手で肩を掴み、対側の手で対側の肩を掴もうとしている。取りの手刀は受けに触れず陽の陰で巡りながら転換を反復し、受けの押さえが無い分丹田までの降氣とならず額の前に陰の陰(手拳)で結ぶ。手拳は受けに当てず陰の陽で取りの側頚部に結び、この間に入り身転換(前方回転の軸足を作り半回転)を行い踏み替えて陽の陽で開くと呼吸法。補足すると、重心を回転並みに下げてその膝に基本通りに手を置くと、受けの両手が立てに並び取りの手拳と頭部は受けの上位にある脇の間を当て身の流れで通って取り自身の側頚部に結ぶ。

 * これらは初めの転換で振り向くときからどちらの手で肩に触れているかを知る必要が無い。肩の後ろを感じたら反射的に触れられた側から基本動作を行うだけで技の初動に入る。対側の足が半歩出て軸足を作って転換(入り身転換)しないと魂氣は発揮できない。手足腰の一致を反射的に。右投手の一塁牽制で、投げる構えだけに留まる時に近似。グラブだけを一塁にかざしボールを握った手は腰の後ろに置いている場合に(そんなフォームを取る投手はいないかも)相当する。

  • 正面打ち入り身投げ表:一教運動表の魂氣で受けの手刀を引き出し、開いた脇の下を逆半身で外入り身。単独動作横面打ち入り身運動において陰の陽で丹田に結ぶ手が、この相対動作では受けの対側外側頚に当たるため、八相の構えで取りの胸に結び、対側手は陽の陰で受けの側頚部に巡り、両上肢はそこで結び降氣で丹田まで母指が降りて残心。転換の反復を含む3段階の連なりまではおおむね基本技。表技は入り身、裏技は入り身転換と踏み替え(反復転換)、転換を4回連ねるものは応用技と呼んで良いと思われる。
  • 突き入り身投げ表:突きに対して横面打ち入り身運動から後ろの陰の魂氣を杖の振込突き近似から陽の陰に巡って丹田へ。対側手は陰の陽で腰の後ろへ巡って残心
  • 坐技交差取り/片手取り呼吸法で二教:前者は内巡り陽の陽から更に陰の陰へ巡る。後者は外巡りで肘を落として脇を閉め、いったん陽の陽から陰の陽に巡って丹田に結ぼうとする。二教の場合は完全に結ぶことが無い。その前に受けの合図があるから。いずれにしても魂氣三要素に尽きる。前者は舟漕ぎ運動の陽の陰から陰の陽(サー・イェイ)、後者はホー・イェイの魂氣。肘を落とさないで丹田に結ぶ。
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2011年

1月

23日

天神町道場稽古 後ろ入り身転換

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作
  • 相対基本動作

 片手取り入り身転換

 片手取り体の変更

 片手取り入り身転換置き換え・入り身運動

 片手取り入り身転換隅落とし

  • 片手取り一教運動呼吸投げ:交差取り一教運動のまま。陽の陰から陰の陽の舟漕ぎ運動の魂氣で受けの上腕を丹田に結ぶ。
  • 片手取り外巡り入り身転換二教:対側の手を直突き・外巡りから脇を閉めて陽の陰から陰の陽(舟漕ぎ運動の魂氣)で受けの手を掴み入り身転換すると、丹田に巡っている払われた対側手で受けの手背を包み、手首を掴んだ手は四方投げの取り方で掴み直して丹田に結ぶ。
  • 相対基本動作

 交差取り後ろ入り身転換:相半身で取らせた手は陰の陽で腰の後ろに結びなら外入り身             転換

 交差取り降氣の形から額に巡って後ろ入り身転換:降氣の形から陰の陰で頰・額に結び                        開いた脇の下で外入り身転換

  • 交差取り後ろ入り身転換一教表:上記入り身転換のとき額から降氣で受けの上腕は取りの丹田の前にある。対側手を陽の陰から陰の陽で結び、同側の足腰を進めて開いた脇を埋め、対側足を一歩進めながら受けに結んだ側のから膝を落として座る。振り子運動で重心を受け側の腕に移す。手首を反屈にせず肘から手背までを一直線にして受けの上肢を地に結ぶ。
  • 座技両手取り呼吸法:「右手をば陽に表し 左手は陰に返して 相手導け」右手を内巡り(昇氣、降氣にこだわらず)陽の陽から母指の反りの方向に地へ、左手は降氣の形から手首を屈曲、母指を前に向けると受けの手首を屈曲させることになり、その下で陽の陰に進めて受けの中心面前に手掌を当てる。座技入り身運動に続き右膝を外に開いて左膝を送ると受けは取りの右側に仰向けに落ちる。
  • 座技両手取り両巡り持ち換え:左手を外巡りから脇を閉じて陰の陽で受けの右手屈側を受け側から把持しながら、脇を開き母指を前に向けて受けの面前に向けて肘を伸ばす。右手は陽の陽から陽の陰に巡って手首を上から取る。取りの両手掌は四教のつぼに嵌っている。

 *交差取り後ろ入り身転換から呼吸法、後ろ取り降氣から後ろ入り身転換・前方回転天地投げ、後ろ取り後ろ入り身転換から後ろ回転小手返しなど技への展開は次回。

 *四級昇級者2名に(財)合気会の證書をお渡しいたしました。

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2011年

1月

19日

幸町道場稽古 鳥船の魄氣

 舟漕ぎ運動:左半身の魂氣は陰の陽(小手返しの手)で母指先は地を指して前方に振り出す。右半身は掌に魂氣を包んで蓋をした母指先を前方に向けて差し出す、更に左半身で陽の陰。魄氣は陽と陰の反復。入り身運動の様に送り足、残心の姿勢をとらない。

 陽の魄氣は魄氣三要素の中でのほんの一瞬に過ぎない。その形自体に静的意義は無い。正面を打ち込む、あるいは突く瞬間の動的機能を裏付ける形であり、必ず半身で腰が入っていなければならない。前の下腿が垂直に立ち上半身を腰から直立させ、後ろの伸展した足は体幹軸を前方に押し進めようとする圧力を単に引き止める支えではなく、腰の中心(臍下丹田)を結果的に前下方へひき止める力を作り出すための姿勢である。本来は一瞬のうちに連なる送り足と残心を、ここではあえて含めず歩幅をとったままである。

 陰の魄氣は剣を振りかぶって(あるいは杖を巡らせて)後方の足に体重をかけて正面に腰を向けた状態であり、前の足先は地に触れているだけで前後左右自在に方向を定めて重心を移すことができる。ただし、舟漕ぎ運動での足先は前方向に限りしかも接点は固定している。このとき必ず両手は陰の陰(二教の手)で丹田から側腹に結ぶ。無制限に続けられる姿勢ではない。

 転換の魄氣はこれにほぼ一致するが前方の足先を軸足方向に引きつける動作が伴う。魂氣は軸足側を腰の後ろに陰、他側は陽の陽である。正しく行われる舟漕ぎ運動こそ合気道の精髄である。

 上体の軸は常に垂直で魄氣の陽陰とともに前後に倒さない。魄氣の陰陽における魂氣(上肢)の直線的な巡りに関連して、両肩を結ぶ線は剣線に対してほぼ45度の振れが必須である。前述の様に、丹田(腰)の振れはこれとは異なり、水平方向のみならず腰の縦軸(仙骨の縦軸)が脊柱に対して前方に角度を取って開く必要がある。このことを腰が入ると表現している。田中万川師範はこの魄氣の陽に相当した姿勢を三本の足で立つと指導された。

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作
  • 相対基本動作

 坐技片手取り呼吸法:内巡り昇氣の形から外下方(母指の反り方向)へ陽の陽。外巡りから脇を閉めると同時に陽の陽で受けの中心へ・受けが他方の手を後ろに着いてから入り身運動(受けは取りの内側に俯せで受け身)。

 坐技両手取り呼吸法:一方は外下方へ陽の陽、他方は降氣の形から手首を外に廻して母指を前に向けてから(受けの脇が開いて腰が浮く)脇を開いて(広義の陽)受けの中心に陽の陰。手が離れると呼吸投げ。

 坐技正面打ち一教表:陽でも陰でもない陽の魂氣を上段に示すことで受けの手刀を誘う。*裏は受けの手刀先手に対し陰の陰で合わせて対側を陽の陰。

 立技正面打ち相打ち:受けの正面振りかぶりに合わせて直突き・対側の手を前に振込み逆半身(外)入り身転換。普段の稽古では横面打ち・入り身転換が一般的。

  • 片手取り回転投げ:取らせて対側の直突きの間に外巡り相半身(外)入り身転換(脇の下をくぐるように見える)同側の上下肢を後ろに置き換え、対側の手を受けの首に結ぶと同時に受けの手首を下からつかみ取り上方に掲げ、再度上下肢を前方に踏み込むと回転投げ。

 *残心で丹田に結ぶと受けは取りの足下に落ちるが、この技では前方に突き放すため大きく前受け身で取りから離れる。諸手取り外巡り二教投げ(入り身投げ)と同様。

 

 【2024/1/3 禊 について修正加筆す】

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2011年

1月

16日

天神町道場稽古 相打ち、後手へ

先手から相打ち、後手への移行

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作:一教運動表裏は相対基本動作で
  • 相対基本動作:坐技片手取り呼吸法内巡り・外巡り、立技片手取り入り身転換・体の変更

 取りが陰でも陽でもない陽(小手返しの手)で魂氣を与えると、掴ませる相対基本動作の始まりであり、片手取り、交差取りとなる。取りが手刀で受けの上段をうかがうと諸手取りや後ろ取りとなる。

 正面打ち先手一教運動(表):陰でも陽でもない陽で上段を(眼前を)うかがうと受けは手刀で面前を守る。接触と同時に陽の陽へ進めて内入り身運動

 正面打ち後手一教運動(裏):受けが正面打ちで振りかぶったとき陰の陽で額に結び同側の足先は剣線を外して対側に置き換え受けの中心に足先を向ける。すぐさまそれを軸足として後方の足を一歩踏み込み入り身と同時に後方の手を陽の陰で受けの上腕に当てる。返し突き近似。剣:小手から正面打ち

 坐技正面打ち先手一教運動(表)、後手一教運動(裏):魂氣は立技と同じ。魄氣は膝の開閉と坐技入り身運動、振り子運動。

 正面打ち一教表連続動作/裏連続動作:表は一教運動表+受けの入り身転換・踏み替え、取り受けの入れ替わり。裏は一教運動裏+受けが後ろに結んで後ろ回転・踏み替え、取り受けの入れ替わり。それぞれ丹田から昇氣・陽の陽で正面打ちへ。

 正面打ち相打ち入り身転換:剣では正面打ち振りかぶりに合わせて突き、剣線を外して受け流し、入り身正面打ち。徒手では正面打ち振りかぶりに合わせて直突き・対側を一歩進め逆半身入り身・転換。直突きの手は止めずに取りの腰の後ろに360度巡って結ぶ。

 他に正面打ちに限らず、突き、横面打ちなど受けが動作を起こしたとき、見極める前に横面打ち入り身・転換で入っていく。剣の入り身正面打ちに近似。

 

 

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2011年

1月

12日

幸町道場稽古 受け流しの応用

諸手取りの魂氣

  • 単独呼吸法
  • 合氣体操
  • 単独基本動作
  • 相対基本動作
  • 交差取り降氣

 舟漕ぎ運動(ホー・イェイ)陽でも陰でもない陽:小手返しの手で手首を屈曲して手掌を見る状態で差し出す。受けは相半身同名側の手で手首を取る。

*母指は取りの丹田側(内)を向いており、降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に結ぶ。受けの外に結ぶ。一教〜四教や入り身転換へ。

*手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に向けると、受けの内側に結ぶ。ここで脇を開いて降氣にすると陰の陰に巡り、受けの外に結ぶため受けは取りに背を向け、取りは一歩踏み込み入り身。

  • 交差取り四方投げ

 陽でも陰でもない陽で差し出し交差で手を取らす。手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に向け、受けの手首を包む様に掴み額を寄せながら同側の足を前方回転の軸とすると、陰の陰に巡って手背を額に接し四方投げの持ち方で受けの手を取ることになる。後ろの足を受けの前に一歩踏み込み後方の手を添え入り身転換すると、受けの項に受けの手を肘でたたんで差し出している。丹田に産すんで残心。剣の上段受け流しに近似。

  • 交差取り入り身転換小手返し

 陽でも陰でもない陽で差し出し交差で手を取らす。手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。対側の手で横面打ちから入り身転換、受けの手は反屈となり、受けの頭部から巡った対側の手は小手返しの掴みで受けの手を取り、一方の手は陽の陽から陰の陰に一気に巡り受けの手から離れて取りの腰の後ろに結ぶ。同側の足は同じ方向に一歩下がり軸足として転換・陰の魄氣とする。受けの手を取った取りの手は丹田の前にある。更に一歩下がって腰から突きに準じて陽の陰で手を伸ばし受けの手背に合わせて再度丹田に結んで残心。

  • 諸手取り四方投げ

 近位側:逆半身陽の陰で諸手を取らせ小指から小手返しの手にすると、母指は受けの内側を向き残りの指を肩に向けて降氣の形にする(脇と肘を閉めていく)。内入り身転換呼吸法の形で取り前腕の近位側を把持している受けの手を四方投げの取り方で把持。

 遠位側:交差取り四方投げと同じく取り前腕の遠位側にある受けの手首を降氣の形から陰の陰に巡り、後方の手を陽の陽で合わせて額に結ぶ。そこで、後方の足を後方回転の軸足として半歩進め、入り身転換・置き換え・踏み替えで四方投げ裏が成立。

 **交差取りでは前方回転の軸足で180度の入り身転換から四方投げ表。諸手取りでは交差取りの逆半身に相当し、後方回転の軸足で後方入り身転換から四方投げ裏。

  • 諸手取り入り身投げ

 小手返しの手で降氣の形から肩に向けながら一歩進んで内入り身転換する。肩の上で母指を降氣ではなく180度回外し前方に向けると二教が成立する。踏み替えて脇と肘を一気に開くと胸を合わせた入り身投げとなるが、二教投げとも言うべき相対基本動作である。

 

 単独基本動作の四方投げの持ち方、禊の舟漕ぎ運動(ホー・イェイ)では諸手取りも想定して気を込めて行うべきである。

 

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2011年

1月

09日

天神町道場稽古初め

  • 禊:舟漕ぎ運動の魂氣と魄氣の説明

  剣:八方切り、正面打ち入り身、正面打ち受け流し、突き受け流しで魄氣の要訣を稽古

  • 単独呼吸法:降氣、昇氣
  • 単独基本動作:入り身転換から前方回転へ連続動作を追加。入り身転換が陰の魄氣で終わらなければ次の前方回転の軸足が作れないことを知るべし。四方投げ、腰投げ後ろ取り各種に通じる。入り身転換から後方回転も同じ。
  • 相対基本動作:片手取り入り身運動、入り身転換、体の変更、入り身転換から昇氣の呼吸法、肩の高さで片手を取らせて昇氣でも降氣でもなく最短で側頚部に結ぶ。
  • 片手取り降氣の形から脇を開かず母指を前方に向け手首を限界まで屈曲して、同側の膝を地に着け一気に肘を開いて母指を地に結び、留まらずに残りの指の方向(後方)に滑らしながら立ち上がると片手取り呼吸投げ。
  • 諸手取り入り身転換呼吸投げ:脇をしっかり閉じて、片手取りに同じ。
  • 脇を閉じると前腕は垂直に立ち、受けの諸手は上下に並ぶ。降氣の形から一気に脇を開いて側頚部に結ぶと肘は受けの上下の腕の間を胸骨部に接して上端に嵌る。母指は取りの背部に向いている。肘も開いて陽の陽で立技入り身転換諸手取り呼吸法(裏)の成立。魄氣は踏み替えている。

 *諸手取り呼吸法表:説明演武のみ。諸手に限って丹田からの昇氣は困難。魂氣を陰の陽で後方の足を丹田の下に置き換え、腕の高さで脇を開けたまま最短で側頚部に結ぶ。母指の方向に同側の足を半歩踏み込み陽の陽で成立。

  • 諸手取り内入り身転換呼吸法:魂氣は諸手取り呼吸法裏の降氣の形、魄氣は諸手取り呼吸法表に同様。脇を開くとき、肘を受けの前方(受けの胸から離し)に、丹田下の足先と同方向に。受けの諸手が取りの前腕伸側をせり上がるように。開いた脇の下を同側の足を一歩進め内入り身とし、側頚部の魂氣は陰の陰で頰・額へと巡り、対側の側頚部に結ぶことで転換が成立する。同時に受けの同名側の手首は二教で取りの陰の陰の魂氣により対側の肩に密着する。取りの対側の手は終始腰の後ろに陰の陽。取りの陰の陰の魂氣は降氣で丹田に結ぶと、受けは取りに密着しながら足下につぶれるように落ちる。諸手取り四方投げ表の基本動作に通じる。

 *諸手取り四方投げ裏の基本動作は次回。

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2011年

1月

07日

平成23年天神町道場稽古初めに際して

 単独動作にあっては、魂氣・魄氣それぞれの経過による連なりを、また、瞬時の魂氣・魄氣の一致を体得する。

 相対動作にあっては、互いの魂氣の結びを魄氣の連なりのもとに維持し、両者の氣結びが丹田に結んで残心を示すまでを稽古とする。

 技を習うことは廃し、基本動作を連ねて残心に終わることをのみ稽古する。その後に自ずと技が明らかになる。

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2011年

1月

05日

幸町道場 平成23年稽古初め

片手取りと諸手取りの違いによる呼吸法の変化

  • 単独呼吸法
  • 合気体操
  • 単独基本動作
  • 相対基本動作

 坐技片手取り呼吸法:内巡りは陰の陽から脇を閉める、外巡りは陰の陰から脇を閉める

 立技片手取り入り身転換、体の変更

  • 片手取り入り身投げ表:片手を与えようとするが掴ませないで陰の陽で丹田に戻り、対側手は手刀で取りの正面を守る。丹田を経て外巡りで陽の陰、返し突き近似で入り身とともに同名側の側頚部に巡り、首筋(胸鎖乳突筋の前縁)に母指以外の指を陰の陽で結ぶ(三教の固めで手掌を胸に密着させる取り方と同様、手掌は受けの項に当てる)。対側の手刀は振り下ろして受けの手を外から払いながら受けの同側頚部に陽の陰で大きく廻して、既に結んでいる取り自身の手背に撓側が接するように(左右の上肢が)結ぶ。陰の陰に巡ろうとする上肢は受けの肩から背にかけて密着し、母指方向に魂氣を進め取りの丹田に結んで相半身で残心。受けは取りの後ろの足の後方に落ちる。
  • 片手取り入り身転換小手返し/入り身投げ裏:片手を与え手首を握られたとき、陰の陽から陰の陰に巡りながら入り身転換すると二教の手を示し、受けの手は反屈となって取りの腕との間に隙間ができる。陽の陽でそこに対側の手を差し入れて手首を下から取り、受けの手を外す。大きく外巡りで下から上に陽の陰で円を描いて、外した受けの手に至り、小手返しの持ち方で上から取る。同時に対側の手は同側の足の後ろへの置き換えに一致して腰の後ろに結び、受けの中心に向けて転換する。これに合わせて受けの小手を丹田の前で返し、更に前方の足を後ろに置き換えるとき後ろの手を陽の陰で取りの母指を覆うようにかぶせ、受けが崩れ落ちるとともに丹田に陰の陽で結び残心。
  • 諸手取り呼吸法裏と片手取り呼吸法裏の魂氣の違い:片手取りでは表は入り身運動、裏は入り身転換であるがいずれも魂氣は昇氣。諸手取りでは、表は同じく入り身運動、直角の入り身転換に伴い昇氣を側頚部まで進める間、肘が受けの胸の中心に接するように胸骨上端まで上昇する。裏では、入り身転換に際して昇氣ではなく、脇を閉じて降氣の形で諸手の外に陰の陽で取りの手を引き寄せる。手首を肩に向けてなおも屈曲する際、一気に脇を開いて陰の陽で(小手返しの手で)取りの側頚部に結ぶ。前腕は水平となり肘は受けの胸骨上端に嵌っている。取りの母指は背の方に向いているが反りに合わせて陽の陽で肘を伸展すると受けの同名側の側頚部にまで密着する。魄氣は既に踏み替えており、手足腰の一致で送り足、最終は脇を閉めて残心。
  • 諸手取り入り身転換呼吸投げ:次に記述。地に結ぶに留まらず、後ろに流してすぐ立ち上がると残心。

 *降氣とは、単独呼吸法では脇を開けて陰の陰で側頚部に結び(二教の手)母指は下方を指して丹田まで降りることである。丹田に降りず、頰から額へ巡ると諸手取りでは内入り身転換に進み四方投げや二人取り呼吸法となり、片手取りでは相半身入り身転換からの回転投げ、後ろ取りでは後ろ入り身から一教〜四教などの基本動作である。一方、脇を開けず、つまり側頚部に結ばず、手首を屈曲したまま母指を前方に向け、同側の膝を着いて母指を一気に地に結ぶと呼吸投げになる。

 降氣の形とは肩を中心に魂氣の種々巡らすことを表し、脇を閉めて陰の陽から陰の陰や脇を開いて陰の陽で側頚部さらに額に結ぶなどである。昇氣の形は丹田を中心に魂氣を上方(呼吸法、正面打ち一教表)、前方(体の変更、交差取り入り身転換)、外巡り(片手取り二教)、下方(隅落とし)に巡らすことへ通じる。脇を開けて陰の陽から上方へ陽の陽あるいは外巡り陽の陰のイメージである。

 肩あるいは額と丹田の範囲ならどこを魂氣が通ってもどこで巡っても良いわけであるが、両極端を知ってこその自由であって、はじめから曖昧であるのは基本の裏付けが無いということで単なるに留まる。

 

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