2011年
1月
30日
日
*陰の陽は母指先、陰の陰は手拳、陽の陽は指先など当て身に近似で進めたり、巡ったりで魂氣を活用することが合気道の特徴の一つ。
*後ろ両手取り(両肩取り):自然体で両手(肩)を取らせた体勢からは後ろ入り身と前方半回転の二通りがある。魂氣は、両手取りが降氣から額に陰の陰、両肩取りは魂氣を陽の陰(手拳)から額に陰の陰。対側の手は、両手取りでは丹田に陰の陽、両肩取りでは軸足(前方の足)の膝上に置く。後ろ入り身では前方回転の軸足形成は不要で後方へ置き換えて同側の魂氣を活用する(一教〜四教)。
*後ろ両手取り(両肩取り)取りが正面打ちで受けを打つ場合:転換して両手(両肩)取りが成立したとき既に後ろ入り身または前方半回転の軸足形成が済んでいる。
2011年
1月
26日
水
後ろ肩取り入り身転換:自然体で立ち後ろから触れられた側の手で手刀を作りながら転換して受けの面前に進めると受けは同名側の手で受けてそのまま押さえる。取りは陽の陰に巡って反復転換し陰の陰で丹田に結び、対側の手は陽の陽から陰の陰(手拳)に巡って受けが押さえる肩に向かうが、一歩踏み込んだ受けの面前をいつでも突ける。陰の魄氣から更に転換を繰り返すと、例えば小手返しや四方投げが成立。後述するように応用技と言える。反復転換時陰の魄氣で軸足の膝を着けば手拳から二教の掴み、基本技。
後ろ両肩取り入り身転換:触れられた側の手で手刀を作りながら転換して受けに向けるが、受けは同名側の手で肩を掴み、対側の手で対側の肩を掴もうとしている。取りの手刀は受けに触れず陽の陰で巡りながら転換を反復し、受けの押さえが無い分丹田までの降氣とならず額の前に陰の陰(手拳)で結ぶ。手拳は受けに当てず陰の陽で取りの側頚部に結び、この間に入り身転換(前方回転の軸足を作り半回転)を行い踏み替えて陽の陽で開くと呼吸法。補足すると、重心を回転並みに下げてその膝に基本通りに手を置くと、受けの両手が立てに並び取りの手拳と頭部は受けの上位にある脇の間を当て身の流れで通って取り自身の側頚部に結ぶ。
* これらは初めの転換で振り向くときからどちらの手で肩に触れているかを知る必要が無い。肩の後ろを感じたら反射的に触れられた側から基本動作を行うだけで技の初動に入る。対側の足が半歩出て軸足を作って転換(入り身転換)しないと魂氣は発揮できない。手足腰の一致を反射的に。右投手の一塁牽制で、投げる構えだけに留まる時に近似。グラブだけを一塁にかざしボールを握った手は腰の後ろに置いている場合に(そんなフォームを取る投手はいないかも)相当する。
2011年
1月
23日
日
片手取り入り身転換
片手取り体の変更
片手取り入り身転換置き換え・入り身運動
片手取り入り身転換隅落とし
交差取り後ろ入り身転換:相半身で取らせた手は陰の陽で腰の後ろに結びなら外入り身 転換
交差取り降氣の形から額に巡って後ろ入り身転換:降氣の形から陰の陰で頰・額に結び 開いた脇の下で外入り身転換
*交差取り後ろ入り身転換から呼吸法、後ろ取り降氣から後ろ入り身転換・前方回転天地投げ、後ろ取り後ろ入り身転換から後ろ回転小手返しなど技への展開は次回。
*四級昇級者2名に(財)合気会の證書をお渡しいたしました。
2011年
1月
19日
水
舟漕ぎ運動:左半身の魂氣は陰の陽(小手返しの手)で母指先は地を指して前方に振り出す。右半身は掌に魂氣を包んで蓋をした母指先を前方に向けて差し出す、更に左半身で陽の陰。魄氣は陽と陰の反復。入り身運動の様に送り足、残心の姿勢をとらない。
陽の魄氣は魄氣三要素の中でのほんの一瞬に過ぎない。その形自体に静的意義は無い。正面を打ち込む、あるいは突く瞬間の動的機能を裏付ける形であり、必ず半身で腰が入っていなければならない。前の下腿が垂直に立ち上半身を腰から直立させ、後ろの伸展した足は体幹軸を前方に押し進めようとする圧力を単に引き止める支えではなく、腰の中心(臍下丹田)を結果的に前下方へひき止める力を作り出すための姿勢である。本来は一瞬のうちに連なる送り足と残心を、ここではあえて含めず歩幅をとったままである。
陰の魄氣は剣を振りかぶって(あるいは杖を巡らせて)後方の足に体重をかけて正面に腰を向けた状態であり、前の足先は地に触れているだけで前後左右自在に方向を定めて重心を移すことができる。ただし、舟漕ぎ運動での足先は前方向に限りしかも接点は固定している。このとき必ず両手は陰の陰(二教の手)で丹田から側腹に結ぶ。無制限に続けられる姿勢ではない。
転換の魄氣はこれにほぼ一致するが前方の足先を軸足方向に引きつける動作が伴う。魂氣は軸足側を腰の後ろに陰、他側は陽の陽である。正しく行われる舟漕ぎ運動こそ合気道の精髄である。
上体の軸は常に垂直で魄氣の陽陰とともに前後に倒さない。魄氣の陰陽における魂氣(上肢)の直線的な巡りに関連して、両肩を結ぶ線は剣線に対してほぼ45度の振れが必須である。前述の様に、丹田(腰)の振れはこれとは異なり、水平方向のみならず腰の縦軸(仙骨の縦軸)が脊柱に対して前方に角度を取って開く必要がある。このことを腰が入ると表現している。田中万川師範はこの魄氣の陽に相当した姿勢を三本の足で立つと指導された。
坐技片手取り呼吸法:内巡り昇氣の形から外下方(母指の反り方向)へ陽の陽。外巡りから脇を閉めると同時に陽の陽で受けの中心へ・受けが他方の手を後ろに着いてから入り身運動(受けは取りの内側に俯せで受け身)。
坐技両手取り呼吸法:一方は外下方へ陽の陽、他方は降氣の形から手首を外に廻して母指を前に向けてから(受けの脇が開いて腰が浮く)脇を開いて(広義の陽)受けの中心に陽の陰。手が離れると呼吸投げ。
坐技正面打ち一教表:陽でも陰でもない陽の魂氣を上段に示すことで受けの手刀を誘う。*裏は受けの手刀先手に対し陰の陰で合わせて対側を陽の陰。
立技正面打ち相打ち:受けの正面振りかぶりに合わせて直突き・対側の手を前に振込み逆半身(外)入り身転換。普段の稽古では横面打ち・入り身転換が一般的。
*残心で丹田に結ぶと受けは取りの足下に落ちるが、この技では前方に突き放すため大きく前受け身で取りから離れる。諸手取り外巡り二教投げ(入り身投げ)と同様。
【2024/1/3 禊 について修正加筆す】
2011年
1月
16日
日
先手から相打ち、後手への移行
取りが陰でも陽でもない陽(小手返しの手)で魂氣を与えると、掴ませる相対基本動作の始まりであり、片手取り、交差取りとなる。取りが手刀で受けの上段をうかがうと諸手取りや後ろ取りとなる。
正面打ち先手一教運動(表):陰でも陽でもない陽で上段を(眼前を)うかがうと受けは手刀で面前を守る。接触と同時に陽の陽へ進めて内入り身運動
正面打ち後手一教運動(裏):受けが正面打ちで振りかぶったとき陰の陽で額に結び同側の足先は剣線を外して対側に置き換え受けの中心に足先を向ける。すぐさまそれを軸足として後方の足を一歩踏み込み入り身と同時に後方の手を陽の陰で受けの上腕に当てる。返し突き近似。剣:小手から正面打ち
坐技正面打ち先手一教運動(表)、後手一教運動(裏):魂氣は立技と同じ。魄氣は膝の開閉と坐技入り身運動、振り子運動。
正面打ち一教表連続動作/裏連続動作:表は一教運動表+受けの入り身転換・踏み替え、取り受けの入れ替わり。裏は一教運動裏+受けが後ろに結んで後ろ回転・踏み替え、取り受けの入れ替わり。それぞれ丹田から昇氣・陽の陽で正面打ちへ。
正面打ち相打ち入り身転換:剣では正面打ち振りかぶりに合わせて突き、剣線を外して受け流し、入り身正面打ち。徒手では正面打ち振りかぶりに合わせて直突き・対側を一歩進め逆半身入り身・転換。直突きの手は止めずに取りの腰の後ろに360度巡って結ぶ。
他に正面打ちに限らず、突き、横面打ちなど受けが動作を起こしたとき、見極める前に横面打ち入り身・転換で入っていく。剣の入り身正面打ちに近似。
2011年
1月
12日
水
諸手取りの魂氣
舟漕ぎ運動(ホー・イェイ)陽でも陰でもない陽:小手返しの手で手首を屈曲して手掌を見る状態で差し出す。受けは相半身同名側の手で手首を取る。
*母指は取りの丹田側(内)を向いており、降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に結ぶ。受けの外に結ぶ。一教〜四教や入り身転換へ。
*手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に向けると、受けの内側に結ぶ。ここで脇を開いて降氣にすると陰の陰に巡り、受けの外に結ぶため受けは取りに背を向け、取りは一歩踏み込み入り身。
陽でも陰でもない陽で差し出し交差で手を取らす。手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。降氣の形で脇を閉めて小指から順に肩に向け、受けの手首を包む様に掴み額を寄せながら同側の足を前方回転の軸とすると、陰の陰に巡って手背を額に接し四方投げの持ち方で受けの手を取ることになる。後ろの足を受けの前に一歩踏み込み後方の手を添え入り身転換すると、受けの項に受けの手を肘でたたんで差し出している。丹田に産すんで残心。剣の上段受け流しに近似。
陽でも陰でもない陽で差し出し交差で手を取らす。手首をすぐ伸展し陽の陽とすると、母指を含め手掌は受けの内側にある。対側の手で横面打ちから入り身転換、受けの手は反屈となり、受けの頭部から巡った対側の手は小手返しの掴みで受けの手を取り、一方の手は陽の陽から陰の陰に一気に巡り受けの手から離れて取りの腰の後ろに結ぶ。同側の足は同じ方向に一歩下がり軸足として転換・陰の魄氣とする。受けの手を取った取りの手は丹田の前にある。更に一歩下がって腰から突きに準じて陽の陰で手を伸ばし受けの手背に合わせて再度丹田に結んで残心。
近位側:逆半身陽の陰で諸手を取らせ小指から小手返しの手にすると、母指は受けの内側を向き残りの指を肩に向けて降氣の形にする(脇と肘を閉めていく)。内入り身転換呼吸法の形で取り前腕の近位側を把持している受けの手を四方投げの取り方で把持。
遠位側:交差取り四方投げと同じく取り前腕の遠位側にある受けの手首を降氣の形から陰の陰に巡り、後方の手を陽の陽で合わせて額に結ぶ。そこで、後方の足を後方回転の軸足として半歩進め、入り身転換・置き換え・踏み替えで四方投げ裏が成立。
**交差取りでは前方回転の軸足で180度の入り身転換から四方投げ表。諸手取りでは交差取りの逆半身に相当し、後方回転の軸足で後方入り身転換から四方投げ裏。
小手返しの手で降氣の形から肩に向けながら一歩進んで内入り身転換する。肩の上で母指を降氣ではなく180度回外し前方に向けると二教が成立する。踏み替えて脇と肘を一気に開くと胸を合わせた入り身投げとなるが、二教投げとも言うべき相対基本動作である。
単独基本動作の四方投げの持ち方、禊の舟漕ぎ運動(ホー・イェイ)では諸手取りも想定して気を込めて行うべきである。
2011年
1月
09日
日
剣:八方切り、正面打ち入り身、正面打ち受け流し、突き受け流しで魄氣の要訣を稽古
*諸手取り呼吸法表:説明演武のみ。諸手に限って丹田からの昇氣は困難。魂氣を陰の陽で後方の足を丹田の下に置き換え、腕の高さで脇を開けたまま最短で側頚部に結ぶ。母指の方向に同側の足を半歩踏み込み陽の陽で成立。
*諸手取り四方投げ裏の基本動作は次回。
2011年
1月
07日
金
単独動作にあっては、魂氣・魄氣それぞれの経過による連なりを、また、瞬時の魂氣・魄氣の一致を体得する。
相対動作にあっては、互いの魂氣の結びを魄氣の連なりのもとに維持し、両者の氣結びが丹田に結んで残心を示すまでを稽古とする。
技を習うことは廃し、基本動作を連ねて残心に終わることをのみ稽古する。その後に自ずと技が明らかになる。
2011年
1月
05日
水
片手取りと諸手取りの違いによる呼吸法の変化
坐技片手取り呼吸法:内巡りは陰の陽から脇を閉める、外巡りは陰の陰から脇を閉める
立技片手取り入り身転換、体の変更
*降氣とは、単独呼吸法では脇を開けて陰の陰で側頚部に結び(二教の手)母指は下方を指して丹田まで降りることである。丹田に降りず、頰から額へ巡ると諸手取りでは内入り身転換に進み四方投げや二人取り呼吸法となり、片手取りでは相半身入り身転換からの回転投げ、後ろ取りでは後ろ入り身から一教〜四教などの基本動作である。一方、脇を開けず、つまり側頚部に結ばず、手首を屈曲したまま母指を前方に向け、同側の膝を着いて母指を一気に地に結ぶと呼吸投げになる。
降氣の形とは肩を中心に魂氣の種々巡らすことを表し、脇を閉めて陰の陽から陰の陰や脇を開いて陰の陽で側頚部さらに額に結ぶなどである。昇氣の形は丹田を中心に魂氣を上方(呼吸法、正面打ち一教表)、前方(体の変更、交差取り入り身転換)、外巡り(片手取り二教)、下方(隅落とし)に巡らすことへ通じる。脇を開けて陰の陽から上方へ陽の陽あるいは外巡り陽の陰のイメージである。
肩あるいは額と丹田の範囲ならどこを魂氣が通ってもどこで巡っても良いわけであるが、両極端を知ってこその自由であって、はじめから曖昧であるのは基本の裏付けが無いということで単なる形に留まる。