2013年
11月
30日
土
技は相対としての動作である
合氣道は魂氣を天から受け、魄氣を地から頂き、丹田において結ぶことで生命をイメージする武技である。従って心身の動静はことごとく氣の思いで成立し、微細な部分にこそ不確かな動作や曖昧な思いが見え隠れしては、合氣によって武技が産まれることにはならない。
技を評価するにはその相対動作を見るべきであるが、それ以前に各人が単独動作の不備なきことを確かめねばならない。それは魂氣の動作と魄氣の動作より他なく、前者は上肢の動作、後者は足腰の動作と目付けに拠る体軸である。そして魂氣は単独呼吸法によって、魄氣は単独基本動作によりそれぞれの三要素を余すところなく習練し、いずれも呼吸との同期によって自然の営みへと取り込むことで体得することができる。
呼吸法とは呼吸と共に魂氣を陰陽に巡って氣結びを為す動作であり、左右の魂氣においても、互いの魂氣との間にも、また自身と互いの魂氣と魄氣の間にも、それはイメージして同時に動作されるのである。どことどこの筋力が正や負に働いてどのように動いたというような理解や評価は一連の技の中では現実的でなく、伝達に際しても困難である。
つまり、合氣道では力(筋力)という言葉と思いと動作はなく、上肢各部の緊張弛緩、伸展屈曲、陰と陽、上昇下降、回外回内が吸気と呼気によって示されるのであり、いずれも禊で受けた魂氣を巡らすことが動作の思いとなる。これを呼吸法という。魄氣の動作もそれにともなって陰陽、入り身、転換、送り足・退き足、前後回転が行われ、自然体の残心に巡る。氣結びを為して取りが上肢や体軸を受けと共に動かせば呼吸法の動作であり、互いに結んでいる間は、呼吸力によって自身と受けが動いたということになる。
身体の一部が互いに当たっているだけで、魂氣と魄氣それぞれの三要素を欠けば、呼吸力が受けに響くことなく、押し・引き・打・突の動作が取りから受けに及んで倒すことになる。
昇段審査や、指導あるいは公開での演武を見取り稽古する際には、その相対動作に内在する単独呼吸法と単独基本動作を透かして見るごとく感知しなければならない。互いにそのような評価に絶える稽古を持続しなければならないということを、自身も改めて覚悟する機会であった。
2013年
11月
24日
日
2013年
11月
20日
水
2013年
11月
17日
日
道主のご指導(11:30〜13:30)
*順序はこの通りでないかもしれないが、受けの動作と取りの基本動作の様々な組み合わせで多くの技が生まれることをあらためて感じ取ることができる様にご配慮いただいていることがわかる。
初動は、厳密には単独動作であるが、研鑽会では日常の稽古仲間と異なるというだけで、単独基本動作が抜け落ちて、いっきに相対動作へと入ってしまうことが多く、取りとしての主体性が生まれず受けに影響された動作に陥り、自己の体軸や両手の魂氣の陰陽が曖昧になりやすい。受けに技を施すにはともかくどうすればよいかという動作になりがちで、取りの魂氣だけで受けの体軸までを挫こうとする気持ちにいつの間にかとらわれていく。
次回の幸町道場の稽古は、道主にご指導いただいた呼吸法(呼吸力)と入り身・転換
あるいは転換・入身・転換の動作から様々なわざが生まれて行くという合気道の技法の要訣を、しっかり反芻したい。
交流稽古での逸る気持ちが動作に負の効果を与える傾向は、基本動作の反復・体得によって必ず克服される。
2013年
11月
15日
金
戦後半世紀以上、まさしく国民と共に歌って来られた歌手のお一人がお亡くなりなった。
心を動かす歌の数々は、人々の成長のそれぞれの場面で絶妙に調和し続けて来た証であろう。人を思いやり、励まし、慰めることは元気をあたえることそのものであり、武道でありながら合氣道の心もそれに矛盾するものではない。しかも、最後に、あれほどひしひしと心に迫る歌と言葉。
どれほど多くの人がご冥福を祈り、あらためて深い感謝の気持ちを捧げたことであろう。
鳥の将に死なんとするや、其の鳴くこと哀し。
人の将に死なんとするや、其の言や善し。 『論語』曾子の言葉
2013年
11月
13日
水
*魄氣の陰で与えて前の足を軸とし後ろ回転もあり
*外転換で脇を開けたまま陽の陰で二教裏/陰の陰で二教の手にして側頸に結ぶ二教裏(演武のみ)
*受けの脇と側胸を埋めての正座から振子運動で受けの躯幹側に取りの上体の軸を傾け受けの手首をさらに絞る。
2013年
11月
10日
日
*二教には、まず取りが二教の手(外巡り)を。外巡りの陰の陰を狭義の陽へ回内すると同時に対側で小指球を包む動作とは別に、外巡りのまま側頸に受けの手背を結ぶことで対側の手で小指球を包む方法もある。いずれも受けの母指球は取りの側頸に結ぶ。受けの小指球と母指球をいきなり束ねて掴み取ることは困難である。
2013年
11月
06日
水
*鳥船近似で丹田に結んだ陰の魂氣は置き換え・踏み替えで結びを緩めないことが肝要。一回転は前半の入身転換と後半の入身転換から成る。片手取り入身転換に加えて片手取り後ろ回転を相対基本動作で稽古することに通じる。腕で廻さず手足腰に受けの全体をくっ付けて目付を回転する。
2013年
11月
03日
日