道主と本部道場長からご指導いただき、数々の道場や学生合気道部の道友とともに研鑽できたなかから、① 坐技両手取り呼吸法と②坐技諸手取り呼吸法に通底する動作について考察する。

① 　陰の陽で魂氣の珠を包んだ両手が受けの下丹田に差し出される。その手首を受けが上から抑えて取りの膝上に押し付ける。差し出されたときは鳥船のホーと腋が開き、肘が伸展し手首は屈曲し、母指先は地に、他指は下丹田に巡るべく屈曲している。

　押し付けられた瞬間に取りの手指は開き、掌は取りの膝を包んでいるが、肘は伸展したままでいわば陽の陰の魂氣とみなしてよいだろう。この間は吸気である。

　次に腹式呼気とともに腋を閉じて肘を屈曲すると上腕は左右の前胸部に密着する。同時に魂氣が陰の陽で内に巡ると、両母指先は左右から下丹田の前で向き合うや否や天に向けてその反りにあわせて呼気の中を魂氣が発せられるごとく両側頸の高さに巡っていく。

　そのとき右手掌は陰の陽で母指先は外側に向き、左手は母指先を内から外へ回って前方を指すように手首で巡る（回外と称している動作。受けの手首屈側に取りの手背が入り、接して魂氣の結びが成立）。この段階で上肢（魂氣）は両方が畳まれて両肘が下丹田に繋がっている。受けの重み（魄氣）は取りの肘が接着する下丹田を経て地に至り、取りの魄氣と結んで釣り合っている。

　ここから吸気である。母指先からなおも魂氣を発して、右手は全体を伸展する陽の陽で発する。右上肢の屈側は母指の反りに合わせて過伸展し、受けの手首上方の空間、真空の氣、に結ぶ。

　左手は陽の陰で受けの真中に吸気で手掌を開き左上肢全体を伸展し、再び呼気に移って両手で氣の巡り、即ち右手は右体側へ陰の陽、軸足は右膝に。左手は下丹田に陰の陽で巡る。受けは取りの右側へ螺旋で落ちる。

②　吸気で陽の陰の魂氣を与えたように差し出した（母指先は地を指し手背が内を向く）取りの

手首を受けが逆半身の諸手で握る。同側の膝に振り子運動で魄氣を移して軸とするから、腋が　閉じて上腕は前胸部に密着する。同時に掌を小指球から包むと手首は屈曲して陰の陽の魂氣で　下丹田に巡る。

　母指先の反りに合わせて魂氣を天に発すると側頸の高さに達して上肢は畳まれ、受けの両手　は上下に並ぶ。更に上体の入り身と同時に取りが腋を開くと母指先は側頸に結び、前腕が水平　となる。

　この時点で受けの両手は上下に並んで一層開くから受けの胸骨上窩に取りの肘が嵌る。取り　の体軸に連なる魄氣は上体の入り身で反対側への振り子運動により対側の膝に移るため、側頸　から母指先を経て魂氣が吸気で発せられ前腕は過伸展して受けの背側に及ぶ（空の氣を解脱し　て真空の氣に結ぶ）。

　上肢の屈側は受けの側頸に魂氣を与えることとなり、受けの体軸へとひびき、底丹田を抜け　て取りの体側に巡る。体軸は再度同側への振り子運動で移動する。受けは取りの背側へと螺旋　で落ちる。

改めて①②に通底する三位一体の合氣は

イ）腋から閉じて上肢を胸の前で畳み、掌を包んだ陰の陽の魂氣で母指先を側頸に結ぶこと。

ロ）受けの両手は縦に並ぶこと。

ハ）伸展して魂氣を発するには対側に振り子運動で軸足を移すこと。

　坐技では振り子運動、立ち技では転換・入り身で軸足交代して、いずれにしても体軸の移動と共に魂氣を陽から陰に巡り、陰から陽で発して再び取りに巡る。この間に魂氣を受けの体軸に響かせ、底を抜く。受けは螺旋に落ちて地に結ぶ。

• 禊
• 単独呼吸法坐技
• 合氣体操
• 単独基本動作
• 相対基本動作：四方切り
• 片手取り四方投げ表裏
• 諸手取り呼吸投げ
• 坐技正面打ち一教運動表裏
• 坐技正面打ち一教表裏
• 天地投げ
• 坐技呼吸法

　以上北村副指導員による。

• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り
• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身運動（陰の陰、振り込み突き、直突き、横面打ち、下段受け流し、上段受け流し）、一教運動表、入り身転換（片手取り／交差取りを想定して反復）、前／後方回転
• 相対基本動作坐技：片手取り呼吸法二本、
• 坐技両手取り呼吸法：下段に与えようとした魂氣を受けが手首の上から取りの両膝上に抑えたとき、腋を閉じて両母指先を左右から内に巡り、膝の間で合わせて陰の陽の魂氣とし（画像）、軀幹に着いている肘を通して腹式呼気とともに受けを下丹田に汲み入れ（空の氣を解脱して）、両母指先は天から側頸へ真空の氣に結び魂氣は降氣の形へと陰で畳むと、左手は回外して陰の陰に返してから吸気で陽の陰に発して、右手は陽の陽で発する。そのまま両手で氣の巡り（右を体側、左を下丹田に巡る）。陰の魂氣の間も掌を蓋する母指先は常に陽。
• 胸取り内転換二教表／外転換二教裏：大仏の手のうち陰の陽の魂氣が二教で小指球を包む。
• 胸取り内転換三教表／外転換三教裏：二教に包む手を離す瞬間に受けの上腕から離れた対側の手で小指球を三教に持ち代える。このとき側頸の高さで陰の陽に畳んでいるから、直に吸気で母指球を突き出して三教固めに。表は振込突きで受けの前に回り、裏は取りの正面を対側の手刀で守りつつ受けの上腕伸側に陽の陰で当てて杖正面打ち近似で下丹田に結ぶと後ろ回転。

　＊いずれも取りは一教運動表／裏で入り身によって受けの魄氣に結び、受けの体軸は正立を保っていない。

　＊正面打ち一教運動表／裏は振込突き／返し突きで逆半身内／外入り身。胸取りや片手取りでは、非軸足に交代と同時に陽の陽から正面打ちで陽の陰に巡り、受けの上腕伸側を返して腋から側頸を指し、入り身・継ぎ足で体軸を寄せる。

• 坐技正面打ち／交差取り四教表

• 剣素振り入り身運動：正面打ち、突き、上段受け流し、下段受け流し
• 剣合わせ：正面打ちに上段受け流し正面打ち。突きに下段受け流し突き、
• 組太刀２、４
• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り
• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身転換（片手取り／交差取りを想定して）
• 正面打ち入り身投げ裏：受けの正面打ちに後手で同名側の手を相半身の鎬とし、剣線を外して返し突きで入り身転換すると魂氣は陰の陽で受けの側頸を包む。鎬の手は魂の比礼振りで陽の陽とし、魄氣は陰から踏み換えると反復入り身転換で魂氣は同時に陽の陰に返して陰の陰で取り下丹田に結ぶ（動画①）。
• 突きに杖巡りで外転換・上丹田から魂氣が振り降りて逆半身外入り身・井桁に進んで相半身外入り身投げ表（動画②）。
• 横面打ちに外転換で呼吸法：横面打ちに外転換で異名側の手を鎬とし、対側の手で自身の顔を内から外へ拭うと受けの手刀の外に陰の魄氣で立つ。鎬の手は陰の陽で上体の入り身運動にて側頸に巡り、外転換から逆半身外入り身で魂氣を陽の陽で差し出し体側に巡る。
• 坐技正面打ち一教表裏：受けの上丹田に与えた魂氣を魂の比礼振りで手刀に結び、振り子運動の膝先に合わせて内入り身。対側の膝と手は受けの真中へ振込突きで、下丹田と体側に巡ってくる。坐技の振り子運動でも井桁に進む。
• 正面打ち一教裏：①相半身で鎬を作って剣線を外し逆半身振込突きで入り身転換して受けの上腕を陽の陰の魂氣で包み、下丹田に受けの上腕とともに魂氣を陰の陽で結ぶ
• 正面打ち一教裏：②振込突きの陽の陰で受けの上腕を包み陰の陰で畳み受けの体側に入り身で密着して軸とし、非軸足を同側の手（受けの手首を把持している）とともに後ろにまわしてさらに後ろ回転でその手を下方に手繰ると、軸足側の手は陰の陽に巡って下丹田に降氣で結ぶ。
• 交差取り一教裏：降氣の形で手を畳み対側の手で返し突き入り身運動にて受けの体側に着いて大仏の手。陰の陰に畳んだ手は側頸の高さから後ろ回転とともに陰の陽で下丹田に降氣で結ぶとともに座る。受けの手首を取る手は杖尻近似で外へ手繰る。

• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、水平に気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で天地に氣の巡り（右手が陽なら左手は陰に返す）
• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身運動（陰の陰、振込突き、横面打ち、下段受け流し、上段受け流し）、一教運動表
• 入り身転換（交差取り／片手取りを想定して反復）、前方／後方回転
• 相対基本動作坐技：片手取り呼吸法二本
• 坐技片手取り外巡り・横面打ち入り身、受けの体軸を降氣で地に結び止まらず地を這わして二教
• 両手取り天地投げ：陽の陽の母指先と井桁で進む拇趾先を揃える。
• 交差取り入り身転換入り身投げ二本：①入り身転換反復と、②相半身外入り身で足先を受けの足元に進め、魂氣は陽の陽で母指先を揃える。手足腰目付けの一致。魂の比礼振りで陽の陰に巡ると継ぎ足で残心。
• 片手取り内転換四方投げ表
• 横面打ち内転換四方投げ表
• 横面打ち外転換呼吸法：鎬の手は陰の陽で上丹田から側頸へ頬を伝って降りて拇趾先が耳の下に着いて昇氣の形。
• 坐技両手取り四教表裏：表は陽の陽で限界まで反らせて陰に返してから受けの手首を上から包む。裏は、外巡りの陰の陰から母指を受けの手首外側に着けて陰の陽に巡って下から包み、母指球を陽の陰で差し出すと、そこから取りの手首を伸展して示指球に陽の魂氣を発する。

• 杖突き四本
• 杖直突きに杖巡り内転換・相半身内入り身にて、陽の陽で差し出す手は杖を受けの両手の間で下から受け、陰の陽で下丹田に振り降りる手で上から杖先を取る。再度内転換とともに非軸足と同側の手を降氣の形で畳んで対側は下丹田の直下に降ろすと、杖は直立して取りの手も受けの手も上下に並ぶ。上の手を陰の陽から回外すると同時に前方へ母指球を突き出す。受けの上方の手は杖により二教の手となる。下の手で受け身を取り両手取り呼吸投げ近似。
• 杖直突きに横面打ち外転換で振り降りた手は上から陰の陽で杖先を取り下丹田に結び体の変更と共に昇氣で側頸を経て陽の陽で半歩踏み出して対側は陽の陰で発して、両手で氣の巡り、諸手取り一教表近似。
• 杖直突きに杖巡り外転換・逆半身外入り身転換にて受けの両手の間で杖を陽の陰で取り、体の変更にて杖を立てて返し突き近似で下丹田まで巡ると、天秤投げ。
• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り

　＊呼吸が動作を伴う。対極は、動作を覚え込もうと息を止め続けている。

• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身運動（陰の陰、振り込み突き、横面打ち、下段受け流し、上段受け流し）、一教運動表、入り身転換（片手取り／交差取りを想定して）、前／後方回転
• 相対基本動作：片手取り／交差取り入り身転換、
• 交差取り入り身転換置き換え手性機を側頸に結び、踏み換えて陽の陽・継ぎ足で魂氣を体側に巡り残心・呼吸法
• 正面打ち一教裏：入り身転換・後ろ回転、魂氣は返し突きから下丹田に巡る／入り身・後ろ回転、魂氣は陰の陰から陰の陽で下丹田へ降氣。同時に対側の手を下丹田から外へ手繰って下丹田での結びを交代する。
• 突きに横面打ち入り身転換・体の変更・後ろ回転で小手返し
• 坐技両手取り二教・四教

• 杖突き４本
• 組杖１、３
• 杖素振り18の杖
• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り
• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身運動（陰の陰、振り込み突き、横面打ち、下段受け流し、上段受け流し）、一教運動表、入り身転換（片手取り／交差取りを想定して）反復、前／後方回転
• 相対基本動作坐技：正面打ち一教表裏
• 正面打ち一教裏：返し突き（陽の陰）で入り身転換とともに下丹田に巡る
• 交差取り一教裏：入り身で返し突きの魂氣を陰の陰として後ろ回転の軸足を作ると同時に陰の陽に巡って、対側の手で受けの手首を屈側から把持して下丹田に結ぶ。非軸足の後ろ回転とともに地に結び、受けの上腕を包む陰の陽の魂氣は軸足交代で一瞬の非軸足の内回転と共に側頸の高さから下丹田へ降氣で結ぶ。
• 交差取り三教裏
• 交差取り二教裏：陰の陽から陰の陰に返して鳥船の魂氣（ホー・イェイ）で順次両膝の着地とともに中丹田で受けの手首を取りの肘で包み降氣の形で畳む。下丹田では受けの上腕を同名側の手で包み、受けの頭側方向に体軸を向ける。
• 片手取り外巡り外転換・横面打ち入り身から同側の膝とともに地に結び、対側の膝も地に着くと同時にその方向に地表を這わせて内側面で対側の手で包むと二教固め。
• 突きに横面打ち外転換（表）／入り身転換（裏）の陰の魄氣から体の変更でも陰の魄氣を維持しそのまま軸が出来て後ろ回転で小手返し。

　＊単独基本動作の後ろ回転では非軸足側の魂氣はもともと腰仙部に結んでいる。

　＊横面打ち入り身転換で、受けの突きを天地の魂氣の間に通し、地の魂氣を陽の陽から同側の非軸足とともに陰の陽で後ろ（腰仙部）に巡ると、同時に軸足交代で後ろ回転の体軸が確立する。

• 禊（天地の結び、鳥船左右左・振り魂、気の巡り）
• 単独呼吸法坐技：降氣、回外、昇氣、一気、入り身運動、振り子運動、両手で氣の巡り
• 合氣体操
• 単独基本動作：入り身運動（陰の陰、振り込み突き、横面打ち、下段受け流し、上段受け流し）、一教運動表、入り身転換（片手取り／交差取りを想定して）反復、前／後方回転
• 相対基本動作：片手取り外転換／内転換
• 片手取り外巡り・対側で振込突きを払わせて相半身外入り身転換・魂氣を天地に結ぶ（天は陰の陽で上丹田に、地は陰の陽で腰仙部に）。非軸足を後ろに置き換えて軸足交代と同時に上丹田から側頸へ魂氣を降ろし（魂氣は体軸の一部となり空の氣に結んでいる）、踏み換えて入り身転換反復と同時に非軸足と同側になった（空の氣を解脱した）陰の魂氣を側頸から陽の陽で真空の氣に結び、上腕から前腕にかけては受けの側頸に密着して魂氣はその体軸へ響き、受けの腰仙部で底を抜いて取りの体側に巡ると入り身・残心で呼吸法。

　＊両足が一本の軸足となって体軸が直立する残心を除き、交代した軸足が体軸を確立するとは、直立する体軸の対側に非軸足と陽の魂氣を生み出すことである。

　＊反復入り身転換では軸足の交代によって直立したままで体軸が移動して向き直る。

• 交差取り外転換・陽の陽から陰の陽・陰の陰で外巡り、入り身投げ
• 交差取り内転換・陽の陰で母指球を受けの手首屈側に被せて置き、入り身転換で四方投げの持ち方として振りかぶり四方投げ表裏
• 正面打ち三教表
• 坐技両手取り呼吸法四本