2020年
11月
28日
土
いま、左/右自然体(半身)で立つ受けの前方の足とその体軸を結ぶ線の延長(剣線)上に取りの中心が位置する。取りが異名側の足を前にして半身で立つと逆半身で対峙することになる。そこで、取りが後の足を軸足として体軸を直立し、非軸足である前方の足先をさらに半歩前に出しつつ、同側の掌に魂氣の珠を包む思いで受けの下段に差し出して与える。
受けがその手首を異名側の手で掴む瞬間に取りは母指先を内に向けると、互いの手の接点は剣線から微妙に内側へ片寄る。剣線上にある取りの足腰は自身の腋の隙間で、剣線上の受けの前足外側にさらに半歩足先を踏み入れることが出来る。この際後ろの軸足は一気に伸展して体軸を前方へ移動させ、前の足先は魂氣を包む母指先に合わせて内股で地を踏み、鳥船の陽の魄氣となる。
その瞬間、同側の手は受けに連なったまま腋が閉じて上肢全体が体幹に密着し取りの魂氣は相対的に下丹田へと巡るわけだ。同時に前の足に軸足を移して目付けを反転すると軸足はさらに足底で45度地を内側に捻り、足腰が体軸を支えて魂氣は下丹田に包まれるように同側の魄氣と結んで体軸が確立する。つまり、鳥船の陰の魄氣となる。魂氣は掌に包まれたまま、陰の陽(小手返しの手)で体軸に与る。
伸展した後ろの足は今や前方の非軸足となって、足先が地に触れるばかりであるから、自ずと軸足側に送られてその足先方向には同側の手が腰仙部から陽の陽で差し出される。軸足交代がなされて目付けは180度転換し、今や受けの手は取りの体軸に結び、軸足を失って魂氣と魄氣の結びが解かれているから体軸は地に確立された状態ではない。取りに依存しているのであって、取りが受けと一体になる、と表現されることが多い。これを片手取り入り身転換とする(画像、動画①)。
片手取り入り身転換は相対基本動作の一つであり、技の生まれた状態ではない。取りの魂氣が受けに及びその中心にひびき、底を抜いて初めて受けに対して技を生むのであって、そのとき取りは残心として、自身の魂氣と魄氣が丹田や体軸に結んでいる。つまり禊である。
体の変更はこの入り身転換からもとの半身に戻らなければならない。前方の非軸足先を地に止め置かず、前方に差し出して掌を天に向けた同側の腕とともに一歩後ろに置き換えて軸足に交代すると、もとの半身でなおかつ陰の魄氣の姿勢にもどる。同側の陰の手は腰仙部に置いて体軸を確立する。
このとき両手はいずれも陰で体幹に密着している。しかし受けに連なる手は陰の陽で下丹田にありながら、最早体軸から解かれており、受けの存在も取りの体も対側の手足腰の結びによる体軸へと移っている。つまり、今や下丹田の手は弛緩屈曲しながら身の軽さを得て自由に魂氣を陽で発し、緊張伸展することが出来る。〝魂の比礼振りが起こる〟と言い表される状態であろうと考えられる。陽の魂氣への〝兆し〟が生まれているわけだ。
言葉と動作を繋ぐものは、まさしく〝心の持ちようである〟と開祖が述べているように、思いである。言葉と思いと動作の三位一体こそ合気の核心であり、口蜜・意蜜・身蜜の三密加持に通底するところである。
そこで魄氣を陽として鳥船近似で下丹田から魂氣を差し出せば、受けは取りの手の伸展により、体軸を失ったまま前方に放たれる(動画②)。あるいは受けが軸足を前方に作って受けの正面に転じた場合、取りが再度その場で入り身転換すれば、受けを引き続いて導くこととなり、はじめの動作からその終末までは、片手取り後ろ回転ということになろう。小林裕和師範が示される体の変更である。
それは、常に動作の途中にある所謂体捌きであり、次の軸足交代、つまり転換、入り身、あるいは回転に連なって行き(開祖の言葉では〝千変万化〟)、様々な技を生み出すところの基本動作であって、静止ではない(動画③、④、⑤)。
2020/11/28
2020年
11月
18日
水
杖投げ:呼吸投げ
禊、単独呼吸法坐技、合気体操、単独基本動作、
相対基本動作:坐技片手取り呼吸法三本、
坐技両手取り呼吸法二本(下段に陰の陽で/中段に手刀で与える)
正面打ち入り身投げ裏
突きに外転換呼吸法/外転換・体の変更呼吸法(いわゆる側面入り身)
*入り身は胸と、受けの同名側の背との漆膠の身。側面入り身とは背と、受けの異名側の胸との漆膠の身
2020年
11月
15日
日
杖取り:
自然本体で両手を大上段に構えて直突きに逆半身外転換・軸足側の手は順手で杖間(両手の間)を上から取って(交差取り近似)対側は杖先を抑えて体の変更で杖間の手を畳み降氣の形とし、杖尻を同名側の受けの手とともに天を指し、杖先は後ろに置き換える非軸足とともに地を指すと、受けは一歩前に進んで相半身と成る。
取りは体の変更による軸足と今や取りにとっての杖尻が結んで地を指す。それを軸としその場にて杖巡りで杖先が受けの手首を屈側から伸側へ巡ってから前方の非軸足を軸に交代して杖尻で返し突きにて一歩踏み込むと杖尻は杖先となって受けの項部から肩、上腕を伸側で杖にて抑える。受けの手は杖に沿って伸展し伸側が地に結んで一教表固め。
返し突きにて後ろ回転すれば一教裏。
杖巡りで杖先が受けの手首を屈側から伸側へ巡ってから杖先を受けの中丹田へ
直突き。 二教。
杖巡りで受けの手首を屈側から伸側へ巡ってから杖先を水平にしたまま受けの腋の下を背側へ軽く向ける(八双構え近似)と受けの前腕は垂直になって三教極め・後ろ回転で三教固め。
自然本体で両手を大上段に構えて、受けの直突きに外転換・非軸足側の手は上から杖先を抑えて軸足交代し、逆半身入り身と同時に対側の手は順手で杖間(両手の間)を上から取って(交差取り近似)軸足交代すると、杖先の手を非軸足に合わせて地に向けつつ間合いを詰めて再度軸足交代すると杖は縦に成り、杖間の手は陰の陽で畳まれたまま体軸から解かれて、杖先(取りには杖尻と成っている)が上丹田に巡り、今や元の杖尻は受けの側頸に進み元の杖先は上丹田に巡る。呼吸法(側面入り身)。
自然本体で両手を大上段に構えて、受けの直突きに内転換から相半身内入り身で上から杖間を取って杖先を下丹田に結び体の変更の陰の魄氣で杖間の手を畳みつつ受けの同名側の腋の下へ置けば、受けは一歩前進して逆半身と成る。軸足交代し、後の非軸足と杖先を地に向けて間合いを詰めて再び軸とすれば、元の杖尻は取りの体軸から解かれて杖間の手は伸展して受けの腋の下を突き上げて受けの同名側の頸部に向かい元の杖先は上丹田に巡る。呼吸法(側面入り身)。
2020年
11月
12日
木
*吸気で陽、呼気で陰、
魂氣の陽は魄気の陰から進める
魄気の陽は既に魂氣の巡りである(魂氣と魄氣を陽に合せて静止しない)
魄氣の陰では既に魂氣は丹田に結び魂氣の陽の兆しである
魄氣の陽は静止して目にできる姿勢ではない。
軸足を失い体軸の移動する瞬間である。
*踵の後ろへの置き換えと、一歩後ろに下がる動作の違いを知ること。前者は魄氣の陰、後者は魄氣の陽で歩幅が大きく体軸・軸足を失う瞬間であり、次の動作で体軸を作ると受けから大きく離れており、技の〝つくり〟(互いの魄気の結び)。からもかけ離れることとなる。
2020年
11月
04日
水