2021年
3月
31日
水
2021年
3月
28日
日
*当て身が払われて取りの内側に巡ると同時にその振り込み突きの非軸足先は剣線を受けの裏に外して、同側の突きの手を陰の陰から陽の陰へ臍下丹田を通って外巡りする時、これを初めて軸足へと交代して受けの横面打ちの手刀を外に払い、対側の手で逆半身外入り身によって受けへの横面打ちとする。これは転進と呼ばれている。この時の非軸足の微妙な置き換えで受けの外に体軸を移して効果的に受けへ対側の手で確実な外入り身、入り身転換、体の変更へと自在に体捌きを続けて受けの魄氣を誘導し、それに結ぶことができる。
*受けへの横面打ちは受けの肩から遠位へ巡って母指球を包めば小手返し。側頸をそのまま包めば後ろ回転で入り身投げ裏。
*当て身の非軸足を軸足に交代することが先走ると、払われた時たちまち上体が崩れて(足腰が居着いて)そのまま受けは裏拳を顔面に及ぼす。早々と軸足を作ってしまうなら、それを体軸として速やかに受けに対して相半身(陰の魄氣)で剣線を直角に外して内転換で受けを引き込む。四方投げなど。
2021年
3月
24日
水
*対側の手と両足腰が休んでいながら、受けに与えている手の脱力はなし得ない。一本の腕が脱力する限りは他方の手と足腰目付が緻密に働かなくてはならない。
2021年
3月
21日
日
*与えた手は、後ろ回転の体軸を作るため同側の魄気(軸足)に結んだり、後ろ半回転で体軸から解かれたり、また体軸に与って入り身転換を行えば、結局後ろ一回転のあいだ魂氣は陰のまま鼠蹊下部に置かれ、相対的に鼠蹊上部へ移り、終末は下丹田に巡って始めの半身から転換している。
言い変えると、与えた手は、自身の体軸と受けの五体の重さを感じるべき体軸に与る間と、後ろ半回転で体軸から解脱して身の軽さを得た(魂の比礼振りの起こった)瞬間を体感し、なおもそれを入り身転換の軸足に交代する魄氣と結んで体軸に与る。動作と、言葉の思いを合わせて感得するのが稽古である。
*脱力するという動作は与えた手に魂の比礼振りが起こり、五体(目付け・両手・両足)が一気に働くことである。むやみに筋を弛緩させることではない。
2021年
3月
18日
木
開祖は、軸足として働く魄気と体軸側の魂気の結びを吾勝、対側の非軸足と体軸から解かれた手(魂の比礼振りが起こった魂気)の自由な働きを正勝と呼んだ。そして正勝から軸足交代で魂気と魄気が結び、体軸の移動が確立すること、つまり合気の技が生まれる瞬間を、おそらく勝速日に喩えられたのであろう(『合気神髄』p70)。
魂気の陰陽・巡り・結びと魄気の陰陽・入り身・転換回転が同期しつつ気結びするとき、すなわち魂気が虚空に円をかいて軸足交代・体軸の移動が終ると、その中心に技が生まれることを正勝吾勝勝速日、または武産合気と表現されたものと考えられる(『合気神髄』p65)。
2021/3/18
2021年
3月
18日
木
合氣道の基本動作(体捌き)のうち体の変更を吟味する
はじめに:開祖は合気道を創始され、その思想と術技を後生に与えられた。それに加えて多数の言葉を遺してくださった(合気道開祖・植芝盛平語録『合気神髄』)。それぞれの語句が意味する思いと動作が、合気道の根本である体捌きに現われてこそはじめて合気が確立して武技が産まれる、ということは言うに及ばない。
結論:入り身転換・体の変更あるいは後ろ半回転による体の変更において、はじめ体軸に与る陰の魂氣の役割は大きい。
以下、考察:
体の変更、鳥船(魄氣の陰陽)、入り身一足
合気道の言葉と思いと動作の三位一体から、体軸は魄氣の軸足と、腰仙部もしくは下丹田に結ぶ魂氣の陰によって確立する。また、体の変更とは軸足の交代を経て、再度元の軸足へ戻って半身の左右も元に戻り、体の向きが180度転換することを言う。ここで、半身とは陰の魄氣に限る。鳥船の呼気で魂氣を包む掌がイェイと下丹田に結んだ姿勢である。
ちなみに、半身の姿を現す魄氣の働きは、他に入身一足と、陽の魄氣の瞬間がある。前者は入り身の継ぎ足で二本の足が一本の直立した軸足となる瞬間である。後者は、魄気の陰の半身から入り身で体軸が移動して確立する間の、視認することのない足腰の形である。しかし、鳥船では吸気の終末に見られ、体軸が前に揺れては戻る瞬間の体勢である。
入り身転換、魂氣の陰陽
入り身転換は軸足交代が一回で半身を交代して、体の向きが180度転換する動作を言う。体の変更はそこから非軸足を一歩大きく後ろに置き換えて再度軸足交代を行なう。半身は左右が元に戻る。
はじめの軸足交代は、陰の魂氣を腰仙部から陽で差し出して同側の足先を同時に外股へ転回させ、非軸足側への先導を行なう。加えて、すでに後方寄りへと転換している目付けと上体を陽の魂氣が緻密に剣線上へ向かわせることで対側の軸足確立に大きな役割を果たす。
入り身転換で止まらず、さらに非軸足を後方へ一歩置き換えて再度軸とする体の変更の動作を、同側の陽の陽の魂氣が即座に陰に巡って腰を回り、先導する形で腰仙部に結び、移動した体軸に与るのである。
後ろ回転
一方、後ろ半回転を体の変更とする動作は、はじめの軸足交代が入り身をせず、その場で軸足交代と陰の魂氣の結びにより体軸を確立する。後方の弛緩屈曲した足が一気に非軸足となるため、地から跳ね上げられて対側の軸足の脹脛から踵に沿って着地し、すぐさま再度軸足・体軸へと交代する。
この後ろ半回転でも、はじめ体軸側の陰の魂氣は同側の軸足が非軸足側になって跳ね上げられ、一歩後ろに置き換わる瞬間、腰仙部から腰の回りに沿って体軸から解かれた陰の魂氣として下丹田へと巡るわけだ。この巡りの要訣は相対的・受動的ではなく母指先から存分に魂氣を発して、しかし腋は閉じたまま腸腰部を鼠蹊下部へと魂氣は小手返しの手のまま周回して前方に至る。はじめと同じ半身で左右の手が対称的に前方を向き、体を三面に開く姿勢へと変更する。ちなみに、体を三面に開いてから、その場で入り身転換すれば、下段に与えて後ろ一回転を動作したことになる。
体軸と魂氣の陰陽(両手の協働)
すなわち体の変更では、いずれもはじめ陰の魂氣で体軸に与った手が、体軸から解かれた魂氣として陰陽の違いは在っても、足腰目付けの転換・回転には自在に体幹の周りを巡って先導するという重要な働きを担うのである。〝空の気を解脱して真空の氣に結ぶ〟〝魂の比礼振りが起こる〟に同義であるに違いない。
〝気の置きどころを知る〟、休むことと働くこと、静止と動作というめりはりのきいた役割を認識することが肝要である。
それに反して陽でも陰でもない、役割のない手や足が一つでもあれば、とりわけ徒手の場合、その瞬間に合氣は成り立たない。〝武産合氣〟という概念は基本動作の段階で充分吟味しなければならない。
2021/3/18
2021年
3月
17日
水
*受けに与えた手は取りの鼠蹊下部に位置して受けの手と共に体軸上であったり、解かれて腰(受けの手)と共に回転したり、と体捌きの動作ができる。重さ/軽さが体感できれば陰の魂氣であっても空の気と真空の気を感じ取っているわけで、後者の瞬間は魂の比礼振りが起こると表現される。
2021年
3月
14日
日
2021年
3月
10日
水
*手首まで滑って下丹田で受けの手を包めないとき(受けが手を引き戻すなど)真空の氣の珠が包まれていると思い、止まることができず昇氣呼吸法
*内転換では脱力した手が受けの手の遠位に触れると体軸側とし、対側の手は相半身内入り身で正面当て
2021年
3月
07日
日
*立技では体の変更近似で軽く半歩後ろに開く動作に相当するが膝は着かず。鳥船の陰の魄氣の軸足とする。
2021年
3月
06日
土
植芝盛平合気道開祖の言葉をまとめた『合気神髄』では、体軸や軸足という用語を国之床立神に喩え、そして吾勝という言葉で現されている。
平易な語句に置き換えることで浮かび上がる動作について考察する。
天の浮橋に立つ間は左右の足先が剣線から30度の開きで左右対称に立って体幹軸を支えている。どちらの足も軸足にならず、つまり体軸を持たず、移動に向かうことのない静止した姿勢である。両手は呼吸と共に天地の気に気結びする禊を行う。
次に右足を剣線に対して30度から45度へ踏み直して軸足とする(p69〝自転公転の大中心はこの右足であります〟)。右手は魂氣の珠を包んだまま腰仙部に回して体幹軸となり、右の魂氣と魄氣が氣結びして体軸に与っていると思うことにする。
初めて体軸が確立したうえで、左足が非軸足となって剣線上に足先を軽く半歩出す。このとき左手は掌に魂氣の珠を包んで下丹田に置くが、常時伸展した母指先から魂氣を発しており、静止と動作が裏打ちされているという心の持ちようが合気の第一歩であると考える。
非軸足と同側の魂氣は揃って自由に置き換えることが出来、その後は軸足へと交代し、魂氣は丹田や体側に結んで体軸に与る。つまり体軸は移動して魂氣と魄氣の結びが左右交代して体軸に与る。
このように、はじめ右の足と手(魄氣と魂氣)の気結びで体軸を確立すれば、左の非軸足と手が自在に動作して、この左の氣結びによって移動した体軸が確立する。つぎつぎにこれをくりかえしてあらゆる体捌きが可能となる。
以上のことは『合気神髄』p69〜70とp105の要約に他ならない。
軸足を作って非軸足先を軽く半歩出すのは鳥船の呼気でイェイと魂氣を下丹田に結んだ姿勢である。この足腰を陰の魄氣と呼ぶことにする。魄氣の陽とは手に魂氣を包んで吸気とともにホーと前に差し出す時の足腰である。軸足は伸展して体軸を失い、前の非軸足は下腿を直立して地を踏み、下丹田は内側下方に向いて体幹軸がやや前方に偏って静止する姿である。
左右対称の両足で体幹軸を支えて禊を行う静止の姿に対して、魄氣の陽は下丹田が前下方に偏って静止した瞬間の姿と言えるであろう。いずれにしても千変万化の動きを生み出す体勢ではない。これは陰の魄気から入り身を経て残心に至る動作に必然の、勝速日の実体を現している(p70)。
合氣道の動きに入るには、足先を30 度から45度に踏み直し、同側の手には魂氣を包み腰仙部に置いて体軸を作り、これは地に固定する。対側の足先は軽く半歩出して非軸足とし、その同側の魂氣を包んだ手は下丹田に置く。
〝気の置きどころを知ることが第一(p67)〟である。
2021/3/6
2021年
3月
03日
水
*受けの側面ではなく後ろに入れば受けの回り込み(理合)に対応して入り身が成り立つ。後ろに軸が出来て前の魂氣が魂の比礼振りで非軸足とともに体の変更が可能となって一歩後へ導くことができる。軸足が曖昧で、四股立ちになって体の変更を始めてしまうと一歩後ろに回れない。壁が少し後ろにずれるような導きでは受けを呼び込むことができない。
*表題に類似して:軸が出来てこそ前の非軸足をさらに半歩陽の魄氣で発すると、一歩前に回り込もうとする受けの側頸を取りの伸展した陽の陽の魂氣(上腕)に乗せて放つことができる。呼吸法の原型。