毎週日曜午前10時から11時30分を予定していますが、時に若干の変更もあります。
稽古を見学の方は「おしらせ」にて実際の稽古予定を確認ください。
連絡は神氣館のHP「問い合わせ」または「掲示板」をご利用ください
当日は入館セキュリティー上午前9:30までに到着してください。
大阪府高槻市古曽部町1-3-33
愛仁会看護助産専門学校内
見学の希望は「問い合わせ」にて連絡を。
当道場では小学生から古希を過ぎた方まで広く稽古を楽しんでいます。小学生には身長・体重・経験によらない基本動作の習熟に楽しみを、年配の方には、蓄積してきたものの本質を見直して武道の普遍性に迫る楽しさを感じ取っていただいてます。
合気道における基本動作は伝来の日本武術から開祖によって抽出された体術の極意です。開祖は古代の世界観からその心の持ち方と武術の統合を果たし、代々道主の下道友皆に伝えられています。
不確実で不満足な日常に輪をかけて迷い尋ねる道であっては活用の妙にほど遠く、基本動作こそが良い姿勢・自由な呼吸・爽やかな達成感をもたらすことを常に感じ取っていただけます。また、技を受けるものには生きる活力が与えられこそすれ、不本意な痛手を受けはしない稽古なのです。
合気道では、活かす稽古としての思いやりは別にあるものではなく、思いやるこころこそ基本動作・技を形作る本質そのものなのです。
2021/4/17
令和2年度なかばから現在も休止中)
令和4年6月1日現在
公益財団法人合気会の規定に則り昇級昇段審査を年2回実施します。
2007年(平成19年)2月6日(火)讀賣新聞大阪本社記事より一部加筆
第I 部 人生90年
日本人の平均寿命は、男性79歳、女性85歳で上昇傾向は続く。今年から(平成19年)団塊の世代の大量退職が始まるが、90年時代へと向かう人生をよりよく生きるには、知恵もいる。「元気をつくる」最前線を紹介する。
若々しい姿勢
俳優の長塚京三さん(61)は、身長181センチ、体重76キロ。日本人の同年代の中では大柄だ。健康体だが、ジムに通ったり、食事制限したりはしない。「そういうことをすると、僕が僕でなくなるような気がして…」 ただ、昔から一つだけ意識していることがある。「姿勢」だ。舞台の上で、深く息を吸って観客が聞きやすいようセリフをしゃべり、ゆったりした歩幅で流れるように歩く。姿勢が悪ければできない。「若い人が向かって来た時に、胸を張って受ける。逃げないオヤジだぞ、という姿勢です」
アンチエイジング(抗加齢)医学の世界に、「三筋後退」という言葉がある。加齢とともに腹、上腕、太ももの3か所の筋肉が衰える現象を、「参勤交代」をもじって表現した。猫背になり、下腹とあごが前に出る老人の姿だ。
これに対し、NPO法人「アンチエイジングネットワーク」理事の朝倉匠子さんは、「胸を張った姿勢」こそが、若々しさを演出するカギだと言う。背筋を伸ばして胸を張る。あごは床と平行。下腹を引いてお尻をすぼめ、肩はいからせない。「姿勢がいいと、大きなおなかや肌のシミは視野に入らなくなるものです」
体幹筋肉
30〜50歳代の女性20人が、正しい姿勢を意識して過ごした研究がある。2ヶ月後には、腹と尻のサイズは減少。目をつぶって片足で立てる時間が大幅に延び、肩こりは解消し、体調も改善していた。
研究メンバーで米国・マサチューセッツ総合病院の酒井リズ智子医師によると、姿勢を正すと、背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋や、背骨を支える脊柱起立筋など、体の中心部の体幹筋肉が鍛えられ、エネルギー代謝と血流も改善、健康度が増す。
体幹筋肉はここ数年、欧米でも最も重要視されるようになった筋肉。スポーツ選手の競技力向上や高齢者の転倒予防には、強化が欠かせない。
呼吸
こうした筋肉に、呼吸が関係していることもすこしずつ解ってきた。中高年に人気があるウオーキング、ヨガ、座禅、フラダンス。東邦大医学部の有田秀穂教授(統合生理学)の研究では、一定のリズムで腹式呼吸を続けると、気分を安定させる脳内物質のセロトニンの分泌が増えることが明らかになった。
セロトニンは、脊柱起立筋など、重力に逆らって体を支える「抗重力筋」にも作用する。リズミカルな深い呼吸を続けると、姿勢がシャンとし、まぶたや頬などの筋肉も引き締まり、顔つきが若返るという。
アンチエイジングの両輪
「姿勢と呼吸」は今、若さ維持の重要なキーワードになっている。
① 魂氣三要素・魄氣三要素に徹する
② 観念を排し単純明快・普遍的動作に専念する
③ 必ず残心を持って締めくくりの動作とする
④ その時々に達成感を自覚する
⑤ 有効と紙一重の差でも苦痛は有害に尽きると知りおく
以上 館長 辻本 大治
穏やかな呼吸 魂氣
しなやかな動作 魄氣
伸びやかな姿勢 目付け
爽やかな達成感 残心
館長 辻本 大治
開祖のお言葉のうち具体的で理解可能なものはむしろ少ないと思われる。たとえば道歌の中には一般的に解釈の難しい語句を度々配しておられる。
しかし、合氣の「道」をお教えになっているものを除くと悉く合氣の「動作」を表すものであり、一見観念的なようでも大半が禊と単独呼吸法や単独基本動作を象徴的にお示しくださっていると考えられる。
ところで、古事記の導入部分は、われわれの先祖が空や海や陸を認識し、住まいを造り身の回りを整備し、食べ物の取得する工夫をしてきたことそれぞれを神々の営みのように語っている。先祖の行動と子孫の思いと言葉は我が国の姿そのものである。その中にあって日本固有の武道である開祖のお造りになった合氣道も、文化を育む表現という根底においての共通性を持っていることは容易に推察できる。
今、動作は観念と共にあり、観念が動作を呼び醒す。動作を認識し伝えるために言葉が作られ、言葉は観念を産む。
つまり、言葉、観念、動作の織りなすなかにこそ合氣道が産みだされる。このうち一つでも欠落するとその実体は変容する。殊に合氣道において動作の曖昧なうちに言葉と観念が一人歩きするようなことがあってはならない。一方、観念と言葉の受けとめが未熟であれば、即座に動作が合氣道を示すものではなくなる。
我々は合氣道を学び修練することをもって健全な生活に資するよう共通の価値観を持とうとしている。合氣道を共に真摯に稽古し、講習を通じて多くの仲間との交流を実現し、より普遍的な開祖への理解を深めることこそ一人一人の願いであろう。
このことを深く心に留めて、指導し、指導を受けることこそ第一にわきまえるべき事柄である。
2012/3/26
生き死にの動作ゆえに理あり 魂氣魄則ち理なり
これら要素の自覚にて 互いの結ぶことを知る
而して後、技は産まれる
然るに、はじめ技を行えば 結びおぼろなり
思いめぐらすも則ち 真中漠として合氣に至らず
2012/5/24
本年度新たに当道場で稽古を開始された皆様にご注意申し上げます。
毎回記録している稽古内容のことです。所々に要点やその時強調した内容の解説などを付け加えていますが、もっぱら稽古した動作についてを振り返って思い起こせるような記述になっております。所謂マニュアルではありませんのでその点を踏まえてご利用ください。
稽古で動作を覚え、言葉で表現し、イメージで動作を感じる。この連鎖が呼吸の様に自然に巡ることこそ、合気道が楽しいと感じる瞬間だと思います。道友と共に協力し合って動作を積み重ねることだけではなく、道場から離れて朝刊の一ページに目を通すような気分で見ていただければ幸いです。慣れてきますと、合氣の要が浮かび上がるようなイメージの作用により、動作が勢いづくことでしょう。習熟する上で必ず遭遇する曖昧な部分にこそ真髄が包み隠されているはずです。体を遣うだけであればこれを紐解くことは必ずしも容易ではありません。動作と言葉とイメージの連鎖は確かなものを産み出す実体であると考えています。
確かなものとはあくまで合氣です。受けを動かし倒すだけのものではありません。
2012/6/24
思想、様式、技術など合気道の規範として開祖から受け継がれてきた事柄、特にそれらの中心になる精神的在り方に心することこそ、伝統を受け継ぎ修養の道を辿るものにとっては肝要である。
技術はいうまでもなく、精神的在り方や道統を抜きにして合気道を論じることはできない。
道統とはただ一本の木の幹である。それに連なり枝を成し、それぞれに数多の葉繁るごとくあらゆる人々に合気道の真髄が浸透して、常に新緑の若葉が産まれる。そのような大樹が正に開祖以来の道統である。
道統あってこその伸びやかな枝葉である。日を受け、滋養を根幹から吸収し得た常緑の葉は確信に満ちて瑞々しい。
2012/7/2
2012/12/24
1. 魂氣三要素がそれぞれ両手で具現されているか
2. 足腰の動作が魄氣三要素から隔たっていないか
3. それらが円滑に連なっているか
4. それらが互いに結んでいるか
5. 体軸と目付けに動静の間でぶれが無いか
6. 呼吸と陰陽の魂氣にゆきちがいが無いか
7. 基本動作に武術としての普遍性が見られるか
8. 残心が和で結ばれているか
2012/10/5
呼吸とともに言葉・観念・動作の一体と成るところに合氣は在る
陰陽・巡り・結び………単独呼吸法
一本の軸足から他側の置き換え踏み替えが動静一如
二本の軸足に中心の些かの進退も無し
陰陽・入り身・転換回転……単独基本動作
自らが為せば他者は自らの内に在り
魂氣と魄氣に結ぶ……………相対基本動作
武器の打突も投げも固めも残心にあり
初動のみならず技の成り立ちも攻防一体…………残心
2013/2/8
2013/1/7
合気道は何をする武道か?
開祖植芝盛平翁により創始され、現在世界95カ国に広がっている。
合気道は力を競って技をかけるものではなく、単に技を造ることが目的でもない。合気道の本質は呼吸の緩急に伴う動作と姿勢につきる。
呼吸とともに天より上肢に魂氣を、地より足腰に魄氣を受けて丹田(下腹)に氣結びし、さらに相手とも結んだ後、残心によって技が産まれる。魂氣も魄氣も曖昧であれば氣結びも残心も無く、技を造ることしか出来ない。
剣術に由来する足腰の動作も特徴の一つであり、目線の位置や姿勢の安定性はそれに依る。
日本古来の相撲や柔術の伝統をそのまま残し、一方で試合の弊害である勝負の執着やそれによる心身の傷害も無く、真に健康を増進させる現代武道である。つまり、旧来の武道に比べて際立った違いは、互いをより良く活かす修練をするという点である。
当日(2013/3/10 午後1時30分〜2時)はこれら用語とその意味、そして対応する一つ一つの動作を実際に示し、単純な動きこそが武術の基本を成すことと受けの動作の武術性が技の重要な理合となることを含め、日頃の稽古風景を時間の許す限り紹介する。
2013/2/1
大雅久しく作らず たいがひさしくおこらず
吾れ衰えなば 竟に誰か陳べん われおとろえなば ついにだれかのべん
李白「古風」
2013/2/8
受けの底に結ぶところで動作を停止すると、取りは陽の魄氣で魂氣が取りの丹田に結ぶ寸前である。受けは正に地に結ぶところである。受けの武道性はここで終わっている。後は取りの残心と、受けにとっては受け身をとるか固めに対して合図を示す段階である。
たとえば両手の氣の巡りで小手返しをする、二教で手首を絞る、三教で前腕の軸を捻る、入り身投げで魂氣を受けの側頸から腰の後ろに与える、四方投げで取りは正面打ちの魄氣で上肢を伸展して受けの項に受けの魂氣を返している。このように投げではいずれも送り足で残心とともに取りの丹田に魂氣を結ぶ寸前であるか、固めでは正座して受けの手を介して魂氣を結び固める寸前であり、受け身をさせるか固めの魂氣を取りから受け入れさせて健康上の刺激を与える段階でしかない。
今、この直後に負傷したり怪我をさせるということと、それ以前での負傷とを分けて考える。そうすると、前者は明らかに取りが配慮をしない事に起因することがわかる。受け身や固めの受けを合氣道特有の健康上の価値として認めず、稽古に対する一瞬の誤解により敵を制する優越感へと傾斜しているのであろう。ここは先達への感謝と受けがより良い健康を確保できるよう思いやる事が不可欠である。特に子供や血気盛んな若い未熟生に注意を喚起すべきである。
それまでの過程に於ける負傷については、一にも二にも正しい基本動作の理解、すなわち取り受け両者の過不足なき動作の習熟によるしか回避の良策は無い。指導としては練習生の習熟度を認識した上での稽古方法の工夫が肝要とされる。当道場での合氣道の解釈や基本動作の設定はすべてこの一点を考慮した上での工夫であり、その意味では、絶対普遍のものではない。この点もまた理解を誤ると、身体の負傷以上に深刻なこころの思い違いを産み出しかねない。注意すべき事である。
2013/2/15
『合氣道稽古の心得(開祖)』に「徒に他人に公開する」「を避くべし」とある。
今「徒に他人に公開する」ということの意味を考える。
一つには伝統の合氣道を互いに共有しようとする信頼感を欠如した関係に於いて、用語の意味とイメージと動作の三位一体を示す事である。
しかし、不特定多数の対象にあってもそれが部分的に目に触れることまでは含まれないと考える。つまり、用語の解説やイメージの持ち方を記述しても、動作が無ければ三位一体ではなく、動作の一端が姿としてホームページにより視覚上に現されても、体感とイメージの同時共有がなければ三位一体ではない。伝統とは、厳密に伝える事によらなければ成り立たない。
次に、伝統として合氣道を互いに共有しようとする場合に、三位一体を示しきれない場合も当てはまるであろう。伝統の核心が潰えることにもなり兼ねず厳に戒めるべきことと考える。真摯な研鑽によってのみ得られた結果が言葉・観念・動作の三位一体であり、これこそが真の「愉快に」稽古をする事へと繋がるのである。
2013/2/27
誰にもまねの出来ない技芸の極みを合氣道と特徴づけるなら、一人一人がその名人芸を模索するのは矛盾に他ならない。
つまり、老若男女が極めるべき道筋を目にすることができて、初めて日常の達成感を感じ取ることができる。
合氣道を稽古する中で、呼吸する以上の緩急は無く、腕を取らせて考える時間も無い。剣を取り杖を使うほどに、手足腰の不明の動作は消え失せる。純一こそが基本であり求める道筋そのものである。
現代にあっては、極めようとしている技芸そのものではなく、科学された合氣道の理と思いが万人に共有され得ることこそが揺るぎない価値であるはずだ。あらゆる動作に、意味のある用語とイメージが伴わなければ普遍化は出来ない。
児童や青年が成熟しながら合氣を形として現していく過程があり、一方、壮年老年の各年代が一眼二足三胆四力のそれぞれにおいて変化の現れを自覚するのは常理である。発育発達と抗老齢化は稽古において楽しむことの一つに他ならず、個々人にとって合氣道の理と思いがぼやけたり薄れたりするものではない。
であるからこそ、形を作ろうとすることに一切とらわれない自由と正立の清々しさを、稽古における禊に象徴するのである。
2013/3/13
伝統とは、伝えるべき核心という統一性の繋がりであり、伝える人の血筋や代表格の繋がりである。
伝えるべき核心と伝える人あってこその系統である。
結びが外に現れ、眼に映るものは形。
形に現れるところの核心を体得し共有することが伝統である。
自身の眼に形は映らない。つまり形は伝統たり得ない。
核心を行えば 形は生まれるが、
形をなぞっても 核心を共有し得ない。
動作を習得するには静止を学べ
静止を確立するには動作を習練せよ
天から魂氣、地から魄氣の想い、
想いのない動作は形に過ぎない。
魂氣三要素と魄氣三要素を表わすことこそ動作である。
動作のない想いは無為でしかない。
言葉のない動作は道たり得ない。
言葉を付けて形を積み重ねても、たましいが内になければ合氣道は生まれない。
たましいを込める、内を磨くという言葉は、それぞれに応じた動作が伴わなければ空虚である。
合気道の心と動きは突き詰めると禊であり、天地の結びである。
言葉と想いと動作の三位一体を体得することこそが先達への報恩である。
2014/8/22
各種武術を究め、さらに精神的修業を経た開祖によって命を吹き込まれたのが合気道の心と技である。その体得の為に心身の錬成を行うことがそのまま互いを尊重し、和合の心をもたらすことに連なっているところが核心である。呼吸、陰陽、動静、緊張弛緩、伸展屈曲等々途切れることのない巡りを表す術理であるが故に、探求と伝統の心が生まれるのであろう。
開祖が入神されて50年になろうとしている。また、開祖が合気道を確立されてから100年目はもうすぐである。現代の合気道は三代道主に引き継がれ、今やわが国の武道界においても、国際的にも確たる位置を占めている。
近年、合気道が文科省において中学体育の教科の一つに選ばれた。画期的な出来事である。これによって合気道は現代武道として正に一層の発展期を迎えたと言ってよい。
そうであるなら、長い歴史を貫いてきた伝統は再び研ぎ澄まされる時であるに違いない。なぜなら、各々に体得された合気道には、少なくとも学校義務教育という普遍的な指導・評価方法の顕在化することが要求されるからだ。
2014/11/1
①臍下丹田にて掌の包みと軸足が体軸へと連なることは魂氣と魄氣の陰の結び。
②掌を包んだまま母指球に続いて示指の付け根に気を発するときを魂氣の陽の陰。魄氣も陽の瞬間。
送り足で二足を合わせ軸足として、魂氣が丹田に巡ると魂氣と魄氣の残心の結び。
魂氣と魄氣が真中で合わさることが合氣
合氣は魂氣と魄氣の陰の結びと残心の氣結び
公財合気会本部道場の師範の方々からご指導を賜る機会に恵まれた。
合氣道についての深い理解と専門的修業によって得られた凄まじい技量から、分かり易く穏やかに導入していただき、一般愛好家の内に響くものを無理なく与えて下さるその方法まで大変勉強になり、終了後の爽快感と達成感は格別であった。
開祖の伝統の根本を今に伝えて下さる現道主に感謝の思いを新たにした次第である。
2015/2/23
合氣道は何をする武道でしょう? (於 高槻市 愛仁会総合健康センター)
2015/3/8
合氣道は開祖植芝盛平翁により創始され、現在世界95カ国に広がっています。裏面の年譜をご参照ください。
合気道は力を競って技をかけるものではなく、単に技の形を作ることが目的でもありません。合気道の本質は呼吸の緩急に伴う動作と姿勢に尽きます。
呼吸とともに天から上肢に魂氣を、地から足腰に魄氣を受けて臍下丹田(下腹)に氣結びし、さらに相手とも結んだ後、残心によって技が産まれるのです。このような想いに裏打ちされた動作ですから、息んで・力んで固まってしまって苦しむことは無く、単に想うだけで技が出来上がるわけでもありません。
魂氣も魄氣もその想いと動作が曖昧であれば氣結びも残心も無く、相変わらず旧来の殺気による格闘技に終始せざるを得ません。そうなると、かけ声だけの和合に止まり、不本意な怪我や傷害の心配がつきまといます。
日本古来の伝統的術理をそのまま残し、剣/杖術に由来する足腰の動作や目付けから正しい姿勢を維持することも特徴の一つとなっています。一方で、試合や競技の短所である勝負の執着と、それによる心身の傷害を無くして、真に健康を増進させることができます。つまり、他の武道に比べて際立った違いは、互いをより良く活かす修練をするという点にあるのです。
(公財)合気会公認道場 神氣館 館長 辻本 大治
本日はこれら用語とその意味、そして対応する一つ一つの動作を実際に示し、日頃の稽古風景を時間の許す限り紹介いたします。
1月 魂氣三要素 禊に含まれる上肢の動作を呼吸とともに行う
2月 魄氣三要素 下肢の動作が呼吸とともにあることを知る
3月 単独基本動作 上半身・下半身・体軸・目付けの確立
4月 相対基本動作 二人で取りと受けに分かれて各動作を行う
5月 基本技 これまでの習得によって技の成り立ちを知る
6月 応用技 自然体から残心まで動・静を呼吸で感得する
2015/6/4