非軸足側への解脱
魂氣の陰陽の間に在るもの
上肢を天に掲げるとき、上丹田や頂丹田に結ぶ陰の魂氣と頂丹田の上にかざす陽の魂氣が区別される。これを知らなければ魄氣に結ぶ魂氣と、陽で発する魂氣の、動作としての違いがわからないはずである。
開祖の仰る“空の氣の結び”と、“解脱”と、“真空の氣の結び”が、軸足の交代である転換や非軸足の置き換えである入り身と相俟って、合氣の動作を生み出すのである。
言葉を知り、氣を思い、それぞれに動作を表す三位一体の修錬によって、形をなぞる動きを超えなければならない。目に映る形を、見えない自身の動きで現そうとするとき、常に受けの手応えを感じることで存立の核心とせざるを得ない。そこでは術理の根元である単独動作も禊も無縁の動きにとどまることとなる。
魂氣は陽から陰に巡り、軸足となる魄氣に結ぶが、陰から陽へと発するには“解脱”が欠かせない。その本体は、非軸足への交代に伴い受けの魄氣を取りの対側の軸足へと移す思いで互いの魄氣の結びを行うことである。開祖の述べられた“心の持ちよう”である。
2023/8/26訂正
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